第九章
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・」
「そうなの どうぞ あがってちょうだい」と、案内された。
持ってきたお重を広げながら、美鈴は
「私が作ったんですけど、お口に合うか心配ですけど・・」
「へぇー 美鈴ちゃんが・・ お料理持ってくるって言っていたけど、こんな立派なおせち料理だとは思って居なかったわ うれしいわ 美鈴ちゃん」と、本当にうれしそうにしていた。そして、口にしながら
「もうね お正月におせち料理なんて、あきらめていたのよね ひとりだし 有難いわ 美鈴ちゃん おいしいわよ お上手ね」
「ありがとうございます お口に合って良かった」
「あっ そうだ あなた達 おビール飲むんでしょ さっき 冷やしておいたのよ」と、冷蔵庫から取り出してきて、コップと前に置いてくれた。
「すみません 遠慮なしにいただきます」と、美鈴は言って、缶を開けて、僕のと自分のに継いでいった。しかし、美鈴は、口を少し付けただけで、飲みはしなかった。
「どうぞ 遠慮しないで もらいもんがいっぱいあるのよ 若いんだから、どんどん飲んでちょうだい」
「田中さん クリスマスのときは有難うございました。田中さんから勧められたとおっしゃってたお客様が何組もおられました」
「どうして あなたが頑張っているからよ だけど、みんなおいしかったって言っていたわよ いいお店だって 私も、紹介した甲斐あるわよ だから、ずーと続けなきゃだめよ お店 大きくするんでしょ シャルダンと勝負するんでしょ」
「ありがとう ございます 私 本当になんといっていいか こんなに、良くしてもらって」
「なに言ってんのよ こんなに、賑やかなお正月って うれしいわ 来てくれて それも、彼氏も紹介してくれて 道代ちゃんにも、自慢しなきゃぁね 私ね 美鈴ちゃんと知り合えてから、元気出てきたのよ 美鈴ちゃんは、本当の孫みたいに思っているから、がんばれって思うと元気になるの 主人が、昔、土地を手にいれていたお陰ょね」
「そうなんですか 買われたのですか?」
「ちがうのよ 今の市民会館とか官庁の辺りに、もともと少しばかりの土地があったんだけど、半分強制的に売らされてね 主人は、ごねて、その周辺の土地を紹介しろって言って、手に入れていったのよ だけど、市街地がどんどん広がってってね 土地を借りたい人が増えていって、今 よ」
それからは、田中さんはお見合いで結婚して、嫁いできたけど、直ぐに両方のご両親が亡くなって、自分達は兄弟も居ないし、子供も居ないから、寂しいんだとしんみり聞かせてくれた。
もう、夕方近くなったので、帰ると言った時、寂しそうに残念がっていたので、美鈴が「また ちょくちょく遊びにきます」と、言っていた。家を出る時、僕に向かって
「こんな 良い娘を手放
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