第六百三十七話 酒池肉林とはその十
[8]前話 [2]次話
「お金に汚いとかもね」
「言われてか」
「嫌われてる時もあるけれど」
連合の大国達の様にだ。
「それでもね」
「嫌われてもか」
「平気なのよ」
「それよりも国益か」
「そう、あとね」
アンはさらに話した。
「ヴェニスの商人とかのイメージね」
「シャイロックか」
「あの偏屈でケチで強欲な」
「ユダヤ系への偏見だな」
「そのイメージもあってね」
「嫌われているか」
「お金に汚いってイメージはね」
シャイロックの様なそれはというのだ。
「あるわね」
「あれは偏見だと思うが」
ギルバートも今は焼き鳥を食べている、ただし酒は赤ワインのままだ。その赤ワインも飲みつつ話した。
「ヴェニスの商人はな」
「そうよね」
「悪人過ぎる」
シャイロックの書き方がというのだ。
「本当にな」
「それでもね」
「イメージとして定着していてか」
「実際金融で儲けてるし」
このことは事実だというのだ。
「シャイロックみたいに」
「連合全体でだな」
「しかもユダヤ系って自分達で固まるからね」
「それはあるな」
ギルバートも認めた。
「コミュニティを形成するな」
「住む場所もね」
これもというのだ。
「一つのお家があれば」
「その周りにだな」
「ユダヤ系が集まってね」
「その場所全体がだな」
「ユダヤ系の居住区になるのよ」
そうなるというのだ。
「何処でもね」
「アンの部屋もだな」
「アパート自体がね」
まさにというのだ。
「ユダヤ系のコミュニティよ」
「そうなっているな」
「管理人さんも」
アパートのというのだ。
「ユダヤ系だしね」
「まさにユダヤ系の場所だな」
「それでアパートの一階のお店も」
そこもというのだ。
「何店かあるけれど」
「アパートの住人の為のか」
「管理人さんが経営しているね」
「ユダヤ系の人の為のお店か」
「色々なもの売っててアパートの人以外からも好評だけれど」
そうした店だがというのだ。
「けれどね」
「基本はアパートの人達の為のか」
「ユダヤ系の人の為のお店よ」
「そうなんだな」
「昔はゲットーってあったわね」
欧州であった、迫害されることが多かった彼等はそこに集められたりそこでお互いに守り合っていたのだ。
「ああした感じで」
「隔離されていたな」
「キリスト教徒じゃないから」
かつてのキリスト教は異教徒には極めて不寛容であった、それこそ殺しても構わないというまでだった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ