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星河の覇皇
第七十九部第二章 観戦武官達の動きその四十七

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「平民は違うがな」
「平民でも士官学校や大学には行けますね」
「特に大学にはな」
「左様ですね」
「しかし平民は選べる」
「大学に行くのかどうかを」
「高校を出ただけでもいい」
 そこで止まってもというのだ。
「職業学校に行ってもいい、しかしだ」
「貴族は必ず大学を出て」
「然るべき地位に就かないといけない」
「そこが違いますね」
「どうしても貴族が指導的な地位に多くなる」
 むしろ貴族は絶対にその地位に就かないとならないのだ、そしてその分平民のそうした地位の者の割合が減るのだ。
「そうなっている」
「それがエウロパですね」
「そうだ、階級が厳然としてある」
「マウリアもそうですし」
 今度は通信士が言ってきた。
「カーストが存在し」
「あの国はむしろな」
「階級がエウロパ以上に存在していますか」
「エウロパはまだ職業を選択出来る」
 階級が存在してもだ。
「特に平民はな。しかしだ」
「マウリアのカーストは職業も定めているので」
「軍人もだ」
 その彼等もというのだ。
「代々の階級、職業としてだ」
「定められていますね」
「あの国はそうだ、今彼等の艦もこの宙域にあるがな」
「そして観戦しようとしていますね」
 通信士がまた応えた。
「これからの会戦を」
「そうなるな、会戦はだ」
「いよいよですね」
「行われるが」
 それがと言うのだった。
「果たしてどうなるか」
「我々も注目していますが」
「観戦武官でなくともな」
 艦長はここで観戦武官である彼等を見た、彼等は今はリラックスして寿司や酒を楽しんでいる。だがそれでもだった。
 すぐに観戦彼等の仕事に向かう、それで艦長も言うのだった。
「気になるな」
「全くですね」
「どちらが勝つか」
「若しくは再びですね」
「引き分けるか、しかし終わらない戦争はない」
 これは決してない、どういった戦争であってもその結末の形はそれぞれであるが必ず終わるものなのだ。
「決してな」
「百年戦争も終わりましたし」
「最後はフランスが勝ってな」
 休戦期間も入れて実際に百年以上戦争を行ったがだ。
「ジャンヌ=ダルクも出た」
「そうなってでしたね」
「終わった、サハラの千年の戦乱もだ」
 それもというのだ。
「終わる時が来るものでだ」
「そしていよいよですね」
「その戦乱が終わるかも知れないしな」
「この戦争もですね」
「終わる、必ずな」
「既に二回激しい会戦が行われていますが」
 通信士が見ても驚くものだった、その会戦は。
「しかしですね」
「幾ら激しい戦いも終わる」
「最後は必ず」
「我々はそれを見る、長い戦争になるかも知れないが」
 それでもとだ、艦長は話した。
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