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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第三十六話 ダゴン星域の迎撃戦(前)
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判る様になるよ」
目を輝かせているフォークは正直見ていたくないけど、こいつには原作の様な末路をたどって欲しくないんだ…。




8月20日06:00 ダゴン星域中心部、銀河帝国軍、第四〇一任務艦隊 旗艦ノイエンドルフ
ヒルデスハイム

 「ファーレンハイト少佐!戦わんのか!?」
「…は、閣下、どういう意味でしょうか」
「そのままの意味だ。敵が居るのは明白なのに戦わんのか、と聞いておるのだ!」
まったく、ブラウンシュヴァイク一門の名誉がかかっておるのだぞ!一門の重鎮たる私が、わざわざこんな所まで出向いている意味が分からんのか!
「確かに敵は居ます。判明している叛乱軍の戦力は四千隻で、我々は一万隻で確かに有利ですがここはダゴンです。叛乱軍にとっては栄光の地です。叛乱軍が包囲殲滅を企図しているかもしれません」
「包囲殲滅?叛乱軍にとっての栄光の地だと!?」
「はい。我が帝国と叛乱軍の最初の…」
「もういい!叛徒共にとって栄光の地と言うのなら、屈辱の地に塗り変えてやるだけだ!」
「ですが…」
「艦隊全速前進だ!」
「…はっ。全艦、全速前進!」




8月20日06:05 ダゴン星域中心部、自由惑星同盟軍、
EFSF旗艦ハウメア□EFSF司令部


 「司令官、正面の帝国艦隊と思われる集団が動き出しました。高速です。敵との距離、約三百光秒」
「奴等、やる気満々の様だな。艦隊速度全速で後退だ」
「はっ…陣形を維持しつつ、全速で後退せよ!」




8月20日08:00 ダゴン星域 中心部、自由惑星同盟軍、EFSF第二分艦隊 旗艦ベイリン
ヤマト・ウィンチェスター

 「少佐、どう思う?」
「どう思う、と申されますと…?」
「スクリーンの概略図を見ると、敵艦隊の陣形は乱れに乱れっぱなしだ。あまり練度の高い艦隊ではなさそうだな」
「はい、我々の後退に釣られて、艦列が無秩序に伸びきっている様です」
…本当にアニメの中だけの話じゃなかったんだな。多分、敵さんは貴族の艦隊で間違いないだろう。しかも大貴族だ。一万隻規模の艦隊を保持出来る貴族なんて、そうそういるもんじゃない。
「敵の先頭集団を叩くいい機会だと思うが」
「艦隊司令部に意見具申なさいますか」
「そうだな…いや、やめておこう。私が気付くくらいだ、艦隊司令部でもそう判断しているだろう。攻撃しないのは他に企図している事があるのかも知れんしな。少佐、分艦隊各艦に軽挙妄動するなと伝えてくれ」
「はっ…分艦隊各艦へ命令、再度各艦の状況知らせ!軽挙妄動を慎め!」

 シェルビー准将は冷静だ。こんな時に艦隊司令部に意見具申なんてしたら艦隊司令官の能力を疑っている、って言っているようなもんだからな、具申しようとしたら止めなきゃならん所だった
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