とっておきの夏(スケッチブック×のんのんびより)
最後の晩餐
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葉月は一瞬顔を綻ばせたがそのあとすぐ顔を曇らせた。
葉月「・・・。」
目の前にあるのは大分・別府の血の池地獄の如く真っ赤に煮えたぎったスープを湛えたうどんの丼。もちろん葉月の自業自得である。
葉月「」ゴクリ
葉月は覚悟を決めた。
葉月「」ズルズル
蛍「!」
葉月は麺を一気に啜った。そしてーーー
葉月「ーーー!!」ゲホゲホ!
盛大にむせた。
渚「は、葉月君!」
蛍「大丈夫ですか!?気を確かに!」
小鞠「お水!お水汲んできました!!」
葉月「」ゲホゲホ
心配の表情を浮かべる蛍たちを他所に、葉月は激しく咳き込み続けた。
ひかげ「まったく、みんな何やってんだか」
それを遠くから見ていたひかげが呟いた。
空「」チョイチョイ
ひかげの隣に座った空は我関せずといった感じでレンゲに麺やワカメ、蒲鉾を少しずつ掬っている。
樹々「梶原さん、さっきから何やってるの?」
空の隣に座った樹々が不思議そうに尋ねた。
ひかげ「おおー。さては空、一度にうどんの全てを楽しむつもりだな!?」
空「」ウン
樹々「おお、なんと贅沢な…!」
樹々もひかげも感心したように見守るなか、一口サイズのわかめうどんが完成した。
空「」パクッ
空「!」パァァァ
空がうどんを食べた瞬間、彼女の口の中で麺と若布が出汁の効いたスープの波間を漂い、追い打ちをかけるように出汁を吸ったかまぼこの旨みが舌の上で舞った。
空:うまい! キラキラ
樹々「わ、私もやってみようかしら…」
ひかげ「そばだけど私も…!」
空の悦に入った表情を見た樹々とひかげも同様に食べ始めた。
ひかげ「ん、これはうまい!」
樹々「こんなに美味しい食べ方を発見するなんて…まさに世紀の新発見ね!」
卓「」ウンウン
空の食べ方を気に入ったのか、3人は空を絶賛した。
空(よかった…。みんなとても気に入ってくれたのだ。)ホワーン
ーーーその好評ぶりに満足した空であった。
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