第七十四話 戴冠式
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しい所を見られてしまったようだね」
「お帰りなさいませマクシミリアンさま」
マクシミリアンは、イタズラを見られた少年の様に笑ってカトレアを抱きしめた。
取り残された形のアンリエッタは、拗ねた様にマクシミリアンに近づいた。
「お兄様、私もいるのよ!」
「もちろんだアンリエッタ。大きくなったな」
「会いたかったわ、お兄様!」
カトレアから離れてアンリエッタを抱きしめた。
離れる際、カトレアが一瞬名残惜しそうにしていたのはご愛嬌。
「……感動の再会は一先ず置いておいて、父上の所へ案内してくれ」
「分かりました。マクシミリアンさまこちらです」
マクシミリアンはカトレアに着いて行き、アンリエッタも二人の後に続いた。
……
エドゥアール王の遺体と対面する為、遺体の安置された王の寝室に入ると黒い喪服に身を包んだマリアンヌが居た。
「母上……そして父上、ただいま戻りました」
「お帰りなさいマクシミリアン。さ、お父様にご挨拶をなさい」
後ろに続くカトレア達は、マリアンヌの様子が落ち着いている事をみてホッと胸を撫で下ろした。
「父上、ただいま戻りました」
マクシミリアンは、魔法で防腐処理されたエドゥアール王の遺体に挨拶をした。
が、当然エドゥアール王の遺体は返事をしない。
次にマクシミリアンは、王の遺体に近づき、顔を顔を拝見した。
「……この様な結果になり、大変残念です。」
「ねえ、マクシミリアン。エドワード様が倒れられた時は、まるで眠っている様だったのよ」
「母上……」
「早く即位してエドワード様を安心させてあげて?」
「分かりました。父上の跡を立派に継いで見せましょう」
そう言って踵を返すと、部屋を出て行った。
「マクシミリアンさま、親子の対面なのに、たったそれだけなのですか?」
部屋の前でカトレアはマクシミリアンに詰め寄った。
「違うよカトレア。僕達は十分話し合った」
「でも、最後のお別れなんですよ?」
「父上が亡くなられて三週間以上も経っている。いい加減、他の国も感付いても良さそうだからね。今日中にも即位して戴冠式や父上の葬儀は後日執り行うようにする」
「……分かりました。すぐにマザリーニさんを呼んで協議を行いましょう」
カトレアがマクシミリアンの後を追う形で、話を進めているとアンリエッタが難しそうな顔で入ってきた。
「お兄様!」
「ん? どうしたアンリエッタ」
「私も協議に参加してもよろしいですか?」
「別に構わないが、僕が帰ったからにはアンリエッタに煩わしい事はさせないさ。母上の側に着いているか、何処かで遊んでいても良いぞ?」
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