とっておきの夏(スケッチブック×のんのんびより)
列車内にて
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が自分の隣を指し示したそのとき。
がったん
木陰「」ドテッ
小鞠「あ!」
列車が大きく揺れ、その弾みで木陰が転んだ。
小鞠「あ…大丈…」アセアセ
木陰「」ググッ
うろたえる小鞠を尻目に木陰はどうにか体勢を立て直し、再びつり革に掴まるような格好で立った。
木陰「ばーちゃるつりかわ…」
蛍「こ、木陰さん…」
渚(木陰君も強情だなあ…。)
なおも『ばーちゃるつりかわ』を止めない木陰。蛍と小鞠は少し心配になったようだ。
小鞠「木陰さん、席に座ったほうが…」
蛍「そうですよ、私も席に座りますから一緒に座りましょう」
木陰「そうね、お言葉に甘えてそうするわ。背が低いのってこういうとき不便よね」
小鞠「その気持ち、痛いほどよく分かります」
ぶつぶつ言いながら木陰は蛍と一緒に小鞠の隣に座った。
木陰「降りる駅まであと30分あるし私は少し休むわね。ごめんなさい」
蛍「あ、いえ…どうぞお気になさらず。おやすみなさい」
蛍がそう言うと木陰は目を閉じた。
蛍「空さん、葉月さん。美術部の人たちって本当に変わっているというかユニークな方が多いですね」
蛍は近くに立っていた空と葉月に話しかけた。
空:みなもんもそう言ってた。
葉月「ああ、みなもちゃんね」
蛍「みなもちゃん?」
葉月「ええ、今回参加できなかった先輩の妹さん。よく学校に遊びに来てるの」
小鞠「へー、空さんたちの高校ってけっこうオープンな学校なんですね」
葉月「いちおう来校手続きはするんだけどね」
小鞠「都会にあるオープンな校風の学校って珍しくないですか?」
一穂
「鳥ちゃん曰く『住んでいる辺りはけっこう田舎』だそうだし、本当の街中にある学校と比べて柔軟に対応できるんじゃないかねー。仮に分校が東京のど真ん中にあったとしたらこんなに校風も緩くないだろうし、そもそも“分校”ですらないと思うよ」
小鞠「そう考えると地元が田舎でよかったね」
れんげ「やっぱり旭丘って田舎なのん?」
いつの間にかれんげが会話に入り込んできた。
小鞠「まぁ普通に考えれば田舎…」
なっつん「いやいや、ウチが住んでるのに田舎なわけないじゃない?」
一穂「その考えがすでに田舎者のような……」
なっつん「いやまぁ…東京にだって猿とか出る時あるじゃん」
一穂「ほう」
葉月「福岡でも中心部の“天神”で猿が出たってこの前ニュースで言ってましたね。去年は観光地の“大濠公園”に猪も出たらしいし」
空:旭丘って猿出るの?
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