決闘(お前が言うな!!)
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、昔はその諺群を支える、地縁共同体に元ずく共通の観念があった。だから、諺の弊害は無かった。しかし今は、その共通の観念は失わされてしまったので、今の時代に諺を乱用するのは危険だという考えである。しかし、
「先生!」
「はい、織斑君!」
「ほとんど分かりません!」
今回の場合、別にそんな共通の観念が失われたとしても、第三者に共通の考えを持たせるには十分過ぎるほどの威力を誇っていた。
『時と場合を考えろ』と。
「え、えっと……織斑君以外で今の段階で分からないっていう人はいますか?」
『……』
完全に想定外の状況に出くわし、まず自分の説明不備を疑う真耶は、恐らくとても良くできた人なのだろう。
……問題は
「……織斑、入学前の参考書は読んだのか?」
「えっと……あの分厚い奴ですか?」
「そうだ。必読と書いてあった筈だが?」
しばらく一夏は何かを思い出す様な素振りをした後に答える。
「あー、古い電話帳と間違えて捨てました」
参考書を棄ててしまう馬鹿(一夏)だろう。
教室に、まるで出席簿で頭を叩いたような小気味よい音が鳴り響いた。
「〜!!」
「はあ……必読の字が読めんのか、お前は」
「うぅ……す、すいません」
「後で差発行してやるから一週間で覚えろ。いいな」
「いや、一週間であの量は「やれと言っている」……了解しました」
それから、痛みに悶えている愛すべき弟を一瞥すると、千冬は他の生徒にも言い含めるように喋り始めた。
「ISはその機動性、攻撃力、制圧力とこの世界(.....)における過去の兵器を遥かに凌ぐ。そういった『兵器』を深く知らずに扱えば必ず事故が起きる。そうしない為の基礎知識と訓練だ……」
「いって〜」
授業後、先程叱責を食らった一夏は、頭を押さえながら切嗣の元にやってきた。
「は、はは。自業自得とは言え、災難だったね」
「……やっぱし俺が悪いのか」
ガックリと頭をおとす。
「切嗣〜後で勉強手伝ってくれ〜」
情けなさそうに手を合わせている一夏だが、切嗣はその頼みを一蹴し嗣はその頼みを一蹴した。
「いや、実は僕もあれ全部は理解してないんだ。」
すると、側で聞き耳を立てていた女子数名が反応した。
「え?切嗣君も未だ参考書読んでなかったの?」
「うん。三日前に渡されたばかりでね」
自然とクラスからの視線が切嗣に集中する。
「そ、そうなんだ。よく授業が理解できたね」
「まぁ、あの中でも重要な所だけ理解してきただけだけどね。例えば、法律関連の章は完全にとばしたり。とりあえず、授業についていけて安心したよ」
照れくさそうに喋っているが、さらっととんでもないことを言ってのける。未知の知識の重要な箇所を見破る、その難しさは語るまでもない。嘗て、異端中の異端と
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