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イベリス
第二十八話 またアルバイトに行ってその八

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「ちょっとね」
「ないですよね」
「幾ら店長さんの占いが当たっても」
 それでもというのだ。
「相当なことよね」
「そうですね」
 咲もその通りだと頷いた。
「そのことは」
「このことも含めてね」
「店長さんは不思議な人ですね」
「ええ」 
 先輩もその通りだと頷いた。
「本当にね」
「謎が本当に多い」
「不思議な人よ、そしてね」
「そして?」
「その不思議さがね」
 このことがというのだ。
「これまたね」
「魅力ですよね」
「ミステリアスなところもね」
「優しくて紳士的で」
「スマートなところもで」
「そして謎が多くて」
 それでというのだ、先輩は咲にかなり乗っている感じで機嫌よく速水のことを話していった。そして咲も応えていた。
「素敵な人よね」
「そうですよね」
「私彼氏一筋だけれど」 
 先輩は笑ってこうも言った。
「それでも若し彼氏いなかったら」
「店長さんをですか」
「好きになっていたかも知れないわ」
 こう言うのだった。
「若しかしたらね」
「そうですか」
「あれだけ素敵な人だから」
 それ故にというのだ。
「本当にね」
「そうですね、もてそうですね」
「実際人気があるのはね」
 それはというと。
「女性人気がね」
「大きいですね」
「ええ、けれどあの人は」
 速水、彼はというと。
「女の人と付き合うとか」
「そうしたことはですよね」
「どうもね」
 これがというのだ。
「イメージとしてね」
「湧かないですね」
「超然的?」
 先輩はここでこの言葉を出した。
「店長さんって」
「あっ、何かこうこの世の人でない」
「何処か異世界から来たっていうか」
「そうした感じもしますね」
「ミステリアス過ぎてね」
「それで、ですね」
「お付き合いしてるって感じもね」
 誰かと、というのだ。
「しないのよね」
「そうですね、言われてみますと」
「だからね」
「店長さんについては」
「何か世俗的なイメージがなくて」
「どなかとお付き合いしていることも」
「そうした感じがしないのよね」
 こう言うのだった、そしてだった。
 咲は昼食を食べて少し休んでからまた働いたが終わる直前に速水に紅茶を出すとその時にこう言われた。
「やはり紅茶はいいですね」
「お好きなんですよね、確か」
「はい、一日に何杯頂いても」 
 それでもとだ、速水は自分に紅茶を煎れてくれる咲に笑って話した。
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