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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第三十五話 新任参謀アンドリュー・フォーク
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方針を戦線の維持とする。異論はあるか?」

”ありません”

”ありません”

「よし、ビュコック親父に無様な所を見られん様にしようか。全艦、戦闘準備」





8月19日19:05 ダゴン星域外縁、自由惑星同盟軍 EFSF第二分艦隊 旗艦ベイリン
アンドリュー・フォーク

 「少佐、戦闘準備だ」
「はっ。第二分艦隊、全艦戦闘準備!」

”総員、戦闘配置。繰り返す、総員、戦闘配置”

 艦内に戦闘配置が下令される。艦橋の要員が走り回る。いよいよか。

「司令、第二分艦隊戦闘準備よろしい」
「了解。横陣形とせよ」
「はっ。全艦、所定の座標に従い横陣形をとれ!」
「少佐、以後は別命あるまで現位置で待機、だ」
「了解しました。全艦、所定座標移動後は別命あるまで待機。待機中は戦闘配置を維持しつつ各艦所定とする」
…拡声マイク越しにウィンチェスター少佐の声が響く。今の私は少佐の予備の予備でしかない。三十五点…勉強させてもらおうか。
「…フォーク参謀、三十五点の意味は分かったかい」
「…今回の我々の任務は敵艦隊の撃滅ではない、よって戦線維持、という事でしょうか」
「三十五点」
「…え?」
「それは司令官の方針から導きだされた答えだろ?そうじゃないんだ。艦隊司令官の参謀と、分艦隊の参謀では助言の内容が違うんだ」
「そういうものなのですか」
「まあ、俺はこういうやり方しか出来ない、ってだけで、お前さんの方が正しいのかも知れないけどな。だから正解は正解なんだよ。三十五点って言うのは俺のやり方なら、って事だ。だから点数は気にしなくていいよ…君は優秀だ、だけど、今は学ぶ時期だと思った方がいい。取捨選択、それから自分の色を出せばいい」
なるほど…。彼とは二つしか違わないが、これが経験の差か。反論すら出来ない。私が言うのも何だが、青二才の様な年齢なのに平然と参謀の役目をこなしている。アッシュビーの再来…。本当にそうなのか…。


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