暁 〜小説投稿サイト〜
伴装者番外編
妹的には……(小日向未来バースデー2021)
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「も、もしもし?お兄?」
『華燐、ちょっと相談に乗って欲しいんだけど……』
「相談?」

珍しい。お兄が悩み事とは。
普段は悩んでても、妹のあたしには言おうとしないのに。

『実は、女の子に何をプレゼントすれば喜ばれるのかで悩んでてさ……』
「いきなりどうしたの?もしかして彼女でも出来た?」

冗談半分のつもりだった。
奥手なお兄に、そう簡単に彼女が出来るわけない……と、思っていた自分を一発ひっ叩いておきたい。

『い、いや〜……彼女ってわけじゃないんだけど……その、気になる人というか……好きな人、みたいな……』
「……え?」

一瞬の沈黙。あたしは思わず、スマホをポロッと落として叫んだ。

「お……お兄に彼女ぉぉぉぉぉ!?」

まさか、冗談が本当になるなんて……。
この後、お兄に彼女について根掘り葉掘り聞き出した。



「なるほど……」

お兄から、惚れた理由から付き合い始めたきっかけまで全部聞き出した。

お相手の名前は、小日向未来さん。お兄の学校に併合された姉妹校、リディアン音楽院の女子生徒でお兄と同い歳。

出会ったきっかけは半年前、月が吹き飛び、都心にノイズが大量発生したあの事件。
避難シェルターで出会って、それをきっかけに交流するようになったらしい。

それから暫くは友達付き合い、というかお兄がヘタレて告れなかっただけなんだけど、ともかく進展はしない関係が続いている、と。

うーん、お兄らしいのがなんとも……。

「それで、誕生日に合わせて告白するつもりでいるけど、プレゼントが決まらない、と」
『いきなりでごめんな。でも、こんな事聞けるのは華燐くらいしかいないからさ』

あ〜……そういう頼られ方されるとな〜……。

最初は怪しい女じゃないか、お兄の優しさにつけ込んでくる悪い女じゃないか、なんて疑ってたけど、話聞く限りだと悪い人じゃなさそうなんだよね。

確かにあたしはお兄の事が好きだ。付き合うならお兄か、お兄みたいな人がいい。
でも、お兄が大好きだからこそ、お兄に好きな人が出来たなら全力で応援してあげたい。

あのヘタレなお兄が、ハッキリと「好きな人だ」って言ってるんだ。ここで背中押せないの、なんかみっともないじゃん。

まあ、相手が悪女なら話は別だけど。その場合、そいつはあたしがけちょんけちょんにしてやる。

でも、多分あたしの出る幕はない。
だから、あたしはしゃしゃり出ずに応援するだけに留める事にした。

「その小日向さんって人、好きなものとかある?趣味なんかは?」
『好きなものだと……焼肉、串カツ、寿司……』
「プレゼントには向かないね〜……。趣味なら?」
『確か元陸上部で、今はピアノやってるって。あと……あ、寮でルー
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