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レーヴァティン
第二百二十七話 会津若松城その四

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「それならだ」
「もうこれよりですね」
「空からも陸からも攻め」
「城を一気に攻め落とす」
「火を以て」
「城の中も雪に覆われている」
 それでもというのだ。
「だがその雪もだ」
「火が強いと溶ける」
「そうなりますね」
「如何な雪でも」
「空船で火を用いる前にだ」
 爆撃よりも先にというのだ。
「いいな」
「はい、空から油を撒き」
「そして火の燃えをよくする」
「そうしますね」
「その為にだ」
 まさにというのだ。
「そうする、いいな」
「はい、それでは」
「これより空から油を撒き」
「それが終わってからですね」
「火攻めとしますね」
「空から爆撃を行い」
 その空船達でというのだ。
「砲も使いな」
「そしてですね」
「そうしてですね」
「火の術も使う」
「そうして雪もものともせず」
「火攻めとしますね」
「雪に火が阻まれるならな」
 それならばというのだ、英雄は強い声で話した。ここで兵達を見るとその目の光は強く厚着の為凍えてもいない。
 その彼等を見て勝てると思いつつだ、彼はさらに話した。
「雪よりも強い火でだ」
「焼く」
「そうしますね」
「そうすればいいですね」
「そういうことだ」
 まさにというのだ。
「これは水でも同じだな」
「はい、水は火を消します」
「しかしその水以上の火ならばです」
「容易に消せません」
「力を消すにはそれに相応しい力が必要だ」
 今度は力学の話をした。
「多くの雪を力とすれば」
「より多くの力ですね」
「それだけの火を用いる」
「そうしますね」
「そうすることだ、その強い火をな」 
 これよりというのだ。
「起こすぞ」
「わかりました」
「ではその様にしていきましょう」
「油を撒き」
「そしてそれから火攻めとしましょう」
「ではな」
 こう言ってだった、英雄はまずは空船を使ってだった。
 会津若松城の上から油を撒かせた、下からの砲撃に対しては。
「まだ攻めない、だから砲撃より高い場所からだ」
「撒けばいいですか」
「今は」
「そうしていいですか」
「そうだ、狙いを定めるのではないからな」
 それ故にというのだ。
「今はな」
「高くていい」
「そうして空からの砲撃を避ける」
「そうすればいいですね」
「そういうことで進めろ」 
 こう言って城の中の幕府から見れば古い型の砲による砲撃の上に空船達をやってそこから油を撒かせた、それが終わってからだった。
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