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レーヴァティン
第二百二十七話 会津若松城その三

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「それがしは戦います」
「そうするか、ではな」
「幕府のお言葉城の者に確かに伝えます」
 城主は確かに答えてだった。
 そうして家臣達を連れて城に戻った、暫くして民達に戦う意志のない者達が城のそれぞれの門から出て行った。
 英雄は約束を守り彼等には何もさせなかった、彼等が安全な場所まで逃げることを静かに見ていた。
 それが終わってだ、英雄は言った。
「ではな」
「これよりでござるな」
 智が応えた。
「攻めるでござるな」
「そうする」
 英雄も答えた。
「民達はいなくなった、それならな」
「もうでござるな」
「気にすることなくな」
 民を戦に巻き込むことを心配せずにというのだ。
「攻める」
「そうするでござるな」
「空船から爆撃を行いな」
「城を焼くでござるか」
「そうしてだ」
 それでというのだ。
「砲撃にな」
「術もでござるな」
「攻める」
 その様にするというのだ。
「今回は火攻めをな」
「するでござるか」
「雪は降っているが」
 しかしというのだ。
「それでもな」
「空気が乾いているでござるか」
「雪は積もっていても」
 それでもというのだ。
「ここはな」
「空気が乾いているので」
「火攻めにするとだ」
 そうすればというのだ。
「利く、大きな城で堅固だが」
「それでもでござるな」
「火攻めにするとな」
 それでというのだ。
「利く、ではな」
「その様にしてでござるな」
「攻める、いいな」
「それでは」
「ただな」 
 英雄は天気を見てこうも言った。
「それは雪が弱まってからだ」
「今の状況では」
「降り過ぎている」
 その雪がというのだ。
「だからな」
「待つでござるか」
「そうする、早く攻めたいがな」
「攻めるには」
「雪が降り過ぎている、だからな」
「今は攻めず」
「雪が止むのを待つ」
 その様にするというのだ。
「待つのも戦だ、用意をしてな」
「雪が止めば」
「すぐに攻められる様にしておく」
「それでは」
 智も頷いてだった。
 幕府は雪が止むのを待った、そして。
 二日後止んだ、そこでだった。
 英雄は全軍に即座に告げた。
「ではだ」
「はい、これよりですね」
「攻めますね」
「城攻めに入りますね」
「雪は止んだ」
 止んだその瞬間に兵達に告げた。
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