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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第105話:70億の奇跡
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ぇぇッ!!」
〈ディフェンド、プリーズ〉
魔法の障壁を生み出し、ネフィリムの火球とワイズマンの魔法を同時に受け止める。
その光景を見てワイズマンは小馬鹿にしたように鼻を鳴らした。あの程度で止められる訳がない。仮に止められたとしても、焼け石に水程度の時間が精々だ。
「ふん、無駄な事を。纏めて消し飛ぶのをお望みか」
だがワイズマンの予想に反し、颯人は持ち堪えていた。空中で足場はライドスクレイパーしかないと言う状況で、彼はネフィリムの火球を受け止め続けたのだ。
「何?」
不可解、それがワイズマンの抱いた感想だった。幾らなんでもあれはあり得ない。魔法にだって限度はある。ましてや颯人は既に幾分か消耗している筈なのだ。あれほどの威力の火球、受け止められる訳がない。
「舐めんじゃ、ねぇぞ――! 俺の奏への情熱はな、こんなもんにだって負けやしねぇんだ!!」
咆哮……気合を入れるかのように颯人が吼えて火球を受け止める障壁に力を籠める。
すると障壁を形作る炎の魔力が大きく燃え上がった。燃え上がった障壁の炎は火球を飲み込んでいき、遂には炎の障壁が火球を焼き尽くして霧散させてしまった。
その光景にワイズマンは思わず唖然としてしまった。
「ば、馬鹿な……」
颯人により装者達に迫る脅威は取り除かれた。颯人が肩越しに振り返ると、奏が彼に向け笑い掛けながら唄っている。
「……言ったろ? 奏の歌があれば俺は何時でも全開だって。どんな歌でも、奏の歌は俺の力になる」
理屈ではない、確信だ。以前は颯人をも苦しめた奏の絶唱も、今は彼の心を燃え上がらせる燃料だった。
そしてその唄は、颯人だけでなく奏達装者自身の力にもなる。
「8人じゃない……私が束ねるこの歌はッ! 70億の、絶唱ぉぉぉぉぉぉっ!!」
フォニックゲインが装者達を包み込む。響によって束ねられた、膨大なフォニックゲイン。
それが装者達を包んだ瞬間、エネルギーフィールドが消え同時に8色の光が天へと昇る。
否、それはただの光ではない。光は弾け、中から輝く翼を広げた純白のシンフォギア――エクスドライブモードに至った8人の装者だ。
「響き合う皆の歌がくれた――――」
それはまるで天使の様。悪意を払う、天からの使い達。
『シンフォギアでぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!』
奏達がエクスドライブモードへと至ったのを見て、颯人は仮面の奥で満足そうに笑みを浮かべる。
〈コネクト、プリーズ〉
徐に颯人はコネクトの魔法で出来た魔法陣に腕を突っ込み、何かを取り出した。
彼が取り出したのは1つの指輪。先程メデューサがファントムに変異した際、魔法使いだったメデューサが落とした指輪の一つ。
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