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イベリス
第二十八話 またアルバイトに行ってその六
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「幾ら何でもね」
「無茶苦茶ですね」
「実際にそこまで飲んでいたかわからないけれど」
「フリードリヒ大王はコーヒー好きだったんですね」
「みたいね」
「それでかなり飲んでいたんですね」
「それは間違いないわね、それで兎に角店長さん紅茶お好きだから」
 それでとだ、先輩は咲にあらためて話した。
「紅茶をね」
「煎れることもですね」
「私達の日課よ」
「そうですね」
「ストレートでもミルクティーでもいいし」
「それとレモンティーもですね」
「特にブランデーを入れると」
 ブランデーティーがというのだ。
「お好きなのよ」
「そうなんですか」
「あの人車は運転されるか」
「あれっ、そういえば」
 言われるとだった、咲は。
 気付いた顔になってだ、こう言った。
「店長さんが車運転されることは」
「見たことないでしょ」
「はい」
 咲もどうにもという顔で答えた。
「何か」
「私もないしお店の他の人もね」
「ないですか」
「そうなの、誰も店長さんが車運転されている場面はね」
 このことはというのだ。
「見ていないわ」
「あまりイメージ出来ないですね」
「そうでしょ」
「どうも」
「だからね」
「店長さんはお車は」
「運転されないかもね、東京って車なくてもね」 
 運転せずとも、というのだ。
「結構やっていけるでしょ」
「そうですね、環状線も私鉄も地下鉄もあって」
 咲はまず鉄道から話した。
「それでバスもあって」
「歩いても結構いけるでしょ」
「ですから」
 それでというのだ。
「運転しなくても」
「やっていけるのよね」
「そうですよね」
「そうだけれど」
 それでもとだ、先輩はさらに話した。
「店長さん電車に乗られるとか」
「それも想像出来ないですね」
「バスに乗られることもね」
「どうも」
「絵にならないのよ」
 速水の容姿でそうしたものに乗る場面は想像出来ないというのだ。
「どうも」
「本当にそうですね」
「タクシーなら兎も角」
「けれどタクシーも渋滞あるし」
「中々ね」
「スムーズに移動出来ない時ありますね」
 咲は鮭を食べつつ話した、産まれた時から東京に住んでいるのでこの街の交通事情もよく知っているのだ。
「世界屈指の大都市だけあって」
「江戸時代からね」
「それだけに車も多くて」
「車道狭いしね」
「よく言われますね」
 だが道を敷いた時は規格外に広かった、山縣有朋が将来発展すれば広い道が必要と考え多くの反対を押し切って広く敷かせたのだ。
「それは」
「もう車が滅茶苦茶多くて」
「人が多い分」
「だからね」
「渋滞も起こりやすいですね」
「伊達に世界屈指の都市じゃないからね」
「人も多いですね」
「だからね」
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