第三幕その一
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第三幕 プレーリードッグの街
一行は草原の中を進みそのうえで山麓まで来ました、山は緑の木々に覆われています。
トロットはその山を見上げつつナターシャ達五人にお話しました。
「この山脈の向こうからギリキンになるの」
「そうなんですね」
「だから木は緑色なんですね」
「それでこの山の向こうはギリキンで」
「全部紫になるんですね」
「そうなるんですね」
「そうなるのよ」
こうお話するのでした。
「そのことはわかっておいてね」
「わかりました」
「丁度エメラルドの都とギリキンの境ですね」
「そこにある山なんですね」
「じゃあ街を通ったら」
「そこはギリキンですね」
「そのギリキンの北の端にイッソスの国があるわ」
目的地のお話もしました。
「皆もそのことは知っているわね」
「はい、知ってます」
「前にもあの国に行きましたし」
「よく知っています」
「それじゃあまずはですね」
「山の中に入りますね」
「そうするわ、そして」
トロットはさらに言いました。
「街の中を見て回るわよ」
「実は私はここに来たことがないんだ」
ここでカエルマンが言ってきました。
「プレーリードッグの街の中には」
「そうなのね」
「だから今から入るのが楽しみだよ」
トロットににこにことしてお話しました。
「とてもね」
「そうなのね」
「すぐに中に入ろう」
「ええ、そうしましょう」
「では入口は何処かな」
カエルマンはトロットに周りを見回しながら言いました。
「それで」
「あの穴だね」
キャプテン=ビルは山の麓にある大きな穴を見て言いました。
「あそこがだよ」
「入口だね」
「そう、プレーリードッグのね」
「草原の終わりにあるね」
「そうだね、ではね」
「あそこからだね」
「中に入るんだ」
そうなるというのです。
「そうだね」
「そうよ、あそこから中に入るのよ」
トロットが二人に答えました。
「だからね」
「今からだね」
「中に入るんだね」
「そうよ、そしてね」
トロットはさらに言いました。
「穴は実は緩やかな下り坂だから」
「落ちるんじゃないのね」
「そうなの。だから安心してね」
トロットはクッキーにも答えました。
「安全だから」
「わかったわ。じゃああの穴からね」
「街に入りましょう」
こうお話してでした。
皆は草原の終わりそして山のはじまりにある穴に入りました、穴はトロットの言う通りに穏やかな坂道で。
中は暗くありませんでした、ビリーナは穏やかな白い光に包まれている自分達を見回して言いました。
「地下なのに明るいわね」
「ヒカリゴケのお陰ね」
トロットは中のあちこちに生えているそれ
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