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幸せな日常
「みんなで一緒にバカンス♪ペットも一緒にバカンス♪」
最近、東宿に出来たばっかりの大型ショピングセンターのCMが流れていた。
そんなCMを朝食を食べながら希は見ていた。
「ねぇ〜お母さん、バカンス行こうよ!」
そう言いながら、目をルンルンにさせて美智子の方を見た。
「もう、しょうがないわね」
「やった〜!ちょっとまってて食べ終わったらすぐ支度するね!」
そういうと|希は勢いよく口の中にトーストを入れ、コーヒーで流し込んで、ドタバタと2階の自室に向かった。
「今日は久しぶりにお母さんとデートだからこの前買ったら、このワンピースを着ていこうかな♪」
「それより無難にお気に入りのこっちにしようかな?」
希は首を傾げながら、二つのワンピースを持ちながら自室の姿鏡の前で合わせ比べをしていた。
「ん〜迷っちゃうな♪」
「そうだ!お母さんに決めて貰おう♪」
希は隣の部屋に顔を少し出しながら母親を呼んだ。
「ねぇ〜お母さん」
「何?今着替えてるんだけど…」
「こっちとこっちだったらどっちがいい?」
美智子は目を細めている、老眼が進んでいるのだろうか…
しばらく細い目を左右に動かし見比べしていたが、頷くと左のワンピースを指さした。
「ん〜どっちも可愛いけどお母さん的には、こっちの方が青の花柄がとても可愛いし好きだな〜」
「やっぱり、私もそう思ってたんだ♪」
「じゃあ、これ来てくるね」
真っ白のハムスターみたいな車に希と美智子は乗った。
それから車の中では、バカンスではこれを見たい、あれを見たいなど話していた。
そうこうするうちに、いかにもハワイをイメージした色と絵が書かれた。ドーム状の建物が現れ、正面には大きくvcanceと書かれていた。
希と美智子はハンドルを握りしめながら、怪訝な顔をしていた。
「やっぱり混んでるね〜」
「そうね〜」
「もうちょっと速く家を出た方がよかったかもね?」
「そうね〜」
希は吹き出して笑った。
「お母さん、先から「そうね〜」しか言って無くない?」
「そうね」
「ほら、また言った」
美智子もやってしまったという顔をして、2人は顔を見合わせて笑った。
笑いが落ち着いた頃には、大分進んで立体駐車場まで入ることができたが、どこも満車のマークばっかりでグルグルと立体駐車場を回っていた。
「流石に出来たばっかだからどこも空いてないね…」
美智子と希は空車が無いかキョロキョロしていた。
「そうね」
「お母さん、またそうねって言ってるよ」
「今度言ったらお昼ご飯奢って貰うか
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