暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
圏内事件〜二人目の犠牲者〜
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、二階へと上がる。

長い廊下の一番奥が、ヨルコが滞在──あるいは保護されている部屋だ。

キリトがドアをノックし、名乗る。

すぐに細い声でいらえがあり、キリトがノブを回す。《フレンドのみ開錠可》設定のドアロックが、かちんと軽い音を立てて解除される。

キリトが先に入る。レンは扉の脇から部屋の中を覗き込む。

引き開けたドアの正面、部屋の中央に向かい合わせに置かれたソファの片方に、ヨルコが腰掛けていた。

す、と立ち上がり、暗青色の髪を揺らして軽く一礼する。

キリトは扉の近くに立ったまま、ヨルコの張り詰めた表情、そして背後のシュミットの同じく強張った顔を順番に見て、言った。

「ええと……まず、安全のために確認しておくけど、二人とも武器は装備しないこと。そしてウインドウを開かないことを守ってほしい。不快だろうけど、よろしく頼む」

「………はい」

「解っている」

ヨルコの消え入りそうな声、シュミットの苛立ちの滲む声を聞き、キリトが横に身体をずらし、レンとアスナ、そしてシュミットを導き入れた。

随分と久しぶりに対面するはずの、元【黄金林檎】メンバー同士の二人は、しばし無言のまま視線を見交わしていた。

先に口を開いたのはヨルコだった。

「………久しぶり、シュミット」

そして薄く微笑む。対するシュミットは、一度ぎゅっと唇を噛み、掠れ声で答えた。

「ああ。もう二度と会わないだろうと思ってたけどな。座っていいか」

ヨルコが頷くと、アーマーをがしゃがしゃ鳴らしながらソファに歩み寄り、向かい側に腰を下ろした。

キリトはしっかりとドアを閉めてロックされたことを確認し、向き合って座るヨルコとシュミットの東側に立った。その反対側にはアスナが、ロックされたドアにはレンがもたれ掛かるようにして立つ。

数日間の缶詰を強いられるヨルコのために一番高い部屋を借りたので、五人が入っても、まだ周囲は広々としていた。ドアは北の壁にあり、西には寝室に続くもう一つのドア、東と南は大きな窓になっている。

南の窓は開け放たれ、春の残照を含んだ風がそよそよと吹き込んでカーテンを揺らしていた。もちろん窓もシステム的に保護されており、たとえ開いていても誰かが侵入してくることは絶対に無い。

「シュミット、今は聖竜連合にいるんだってね。すごいね、攻略組の中でもトップギルドだよね」

六王には負けるけどさ、と言った。

シュミットは眉間の辺りにいっそうの険しさを漂わせ、低く答えた。

「どういう意味だ。不自然だ、とでも言いたいのか」

刺々しいにもほどがある返事にも、ヨルコは動じなかった。

「まさか。ギルドが解散した後、凄く頑張ったんだろうなって思っただけよ。私やカインズはレベルア
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