第二百二十六話 関を通りその十一
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「溺れる人も多いです」
「その為水は火よりも危うい」
「左様です」
「水は怖いものだ」
英雄はあらためて言った。
「溺れるという意味でもそうだしだ」
「飲むことについても」
「同じだ、そういえばだ」
「そういえばとは」
「火の中にいる魔物は限られているが」
「水の中にはですね」
「多くいる」
魔物にしてもというのだ。
「そして獣もな」
「危険な魚もですね」
「鰐もいれば鮫もいる」
具体的な種類も挙げた。
「迂闊に泳ぐとな」
「溺れる場合もあり」
「そうしたものに襲われることもある」
水の中の魔物や獣達にというのだ。
「そうもなるからな」
「だからですね」
「水はな」
まさにというのだ。
「火以上にだ」
「危険なものですね」
「そのことをだ」
「頭に入れておくことですね」
「それでも強くな」
こう良太に話した。
「やはりな」
「そういうことですね」
「何度も言うが生水は飲むな」
やはり強く言った。
「そういうことだ」
「身体を壊したくなければ」
「そうだ、俺もそうしているしな」
「我々もそうしていますし」
「兵達もだ」
即ち全員がどいうのだ。
「そうしてな」
「そのうえで」
「戦っていく」
こうも言った。
「いいな」
「わかりました、それでは」
「水も気をつけてな」
「万全の状態で」
「戦う」
英雄は前を見据えて言った、そのうえで。
軍をこの辺りの幕府に従おうとしない者達が集まっている会津若松城を目指した、そうしてその城を攻めんとするのだった。
第二百二十六話 完
2021・9・15
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