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ハッピークローバー
第二話 身の用心その五

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「まさかね」
「実際によね」
「男の子は皆売れて」
「先輩の人達まで参戦してきて」
「あっという間に皆相手の人が出来たわね」
「私も見て驚いたわよ」
 富美子は憮然として言った。
「本当にね」
「あっという間だったわね」
「入学式が終わったら」
 その瞬間にというのだ。
「三年の先輩がクラスの男の子のところに来て」
「声をかけてね」
「あっという間にゲットしていったし」
「それでクラスの中でもね」
「もう女の子がどんどん声をかけて」
 男子生徒達にそうしてというのだ。
「それでね」
「男の子は皆あっという間にね」
「相手が出来たからね」
「私達が驚いている間にだったわね」
 理虹も言ってきた。
「男の子は彼氏が出来て」
「それでね」
「私達はね」
「驚いている間にあぶれたわね」
「それで今ね」
「こう話してるのよね」
「それであんたと成海君見てね」
 留奈はかな恵に言った。
「私達もね」
「工業科の子達からなのね」
「彼氏をゲットして」
 そしてというのだ。
「付き合いたいってね」
「思ってるのね」
「そうなの、だからお願いしているのよ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
「任せて、私は一華ちゃん達のセッティングするわ」
「それであちらは」
「成海君にね、ただあちらの工業科って」
 ここでかな恵はこんなことを言った。
「校長先生がね」
「ああ、あの扇風機殴る人ね」
「生徒に暴力は振るわないけれど」
 それでもというのだ、かな恵は工業科の校長の話をここで話した。この学園では有名人であるのだ。
「威嚇でね」
「そうしたことするのよね」
「それで工業科はあの人好きな人多くて」
「人気あるのよね」
「怖いけれど公平で生徒思いで」
 そうした校長先生でというのだ。
「いい先生らしくて」
「人気あるのね」
「そうらしくてね」
 それでというのだ。
「影響を受けている人もね」
「多いの」
「そうみたいよ」
「怖いけれどいい先生ね」
 留奈はここまで聞いてこう言った。
「そんな先生もいるわね」
「そうよね」
「ただ怖いだけでヤクザ屋さんみたいなのもいるけれど」
「そんなのはもう失格よね」
 かな恵はおっとりしているが確かな声で言った。
「先生以前に人間としてね」
「失格っていうのね」
「そうだと思うわ」
 まさにというのだ。
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