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ハッピークローバー
第二話 身の用心その三

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「逃げることをね」
「第一にして」
「どうしてもという時は」
「潰すのね」
「そうしてね」
「自分の身を守るのね」
「そうしなさいってね、それで弟にも言われたわ」
 かな恵には弟がいるのだ、その彼からもというのだ。
「私結構抜けてる様に見えるから」
「注意しろってなの」
「言われたわ」
 その弟からもというのだ。
「本当にね」
「そうなのね」
「だから私もね」
「気をつけてるの」
「そうなの」
「成程ね、じゃあ私も」
 かな恵の話も聞いてだ、一華はあらためて決意した。
「防犯具はね」
「持っておくのね」
「そうするわ」
「絶対にそうしてね、世の中変な人もいるし」
「お母さんの言う通りにね」
「だからね」
 それでというのだ。
「備えておくわ、あと変な場所にはね」
「最初から行かない」
「それがいいわね」
「そう、例えば歌舞伎町のね」
「東京のね」
「裏側とかね」
「危ないっていうわね」
 一華もこの場所のことは聞いていて言った。
「あそこは」
「賑やかな場所は安全でも」
 それでもというのだ。
「そのすぐ裏側はね」
「危ないのよね」
「賑やかな場所は人が見るけれど」
「裏側は」
「陰になっていたら見ないでしょ」
「賑やかな場所を見てね」
「そこが一番何かあるから」
 かな恵も話した。
「最初からね」
「行かないことね」
「そう、何でも歌舞伎町でも賑やかな場所はね」
「安全なのね」
「普通の居酒屋とかカラオケボックスはね」 
 そうした場所はというのだ。
「よくてね、そのすぐね」
「裏側ね」
「アウトローの人も多いし」
 歌舞伎町にはというのだ。
「そうした場所にはね」
「行かないことね」
「最初からね。うちの学校も妖怪や幽霊はそうでしょ」
「物陰で見たってお話多いわね」
 一華は自分達が通っている八条学園のその話に頷いた、この学園は世界屈指の心霊そして妖怪スポットでもあるのだ。
「堂々と出ている場所もあるけれど」
「けれど大体でしょ」
「そんな風」
「雪が降る時古い校舎裏に雪女いたとか」
「あと夜よね」
「一杯そうしたお話あるけれど」
 八条学園にはというのだ。
「やっぱり賑やかな」
「そのすぐ傍ね」
「そこに出るし」
「危険な場所も」
「妖怪や幽霊は怖くないけれど」
 学園に出て来る彼等はというのだ。
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