スネークダークネス
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舌打ちしたトレギアは、両腕から黒い雷を広範囲に放つ。
攻撃ではなく防御のために繰り出したそれは、緑の風と衝突し、地下世界に爆発を広げていく。
「ふん。……少し、玩具を持ってきてあげたよ?」
「玩具?」
トレギアはねっとりと指を鳴らした。
「気に入ってくれるといいなあ……行け。スネークダークネス!」
トレギアの合図。
すると、彼のすぐ隣の鍾乳石が粉々に砕けていく。
やがて、地の底より現れたのは、白い怪物。毒々しささえも感じる白い体と、頭、腕、背中、爪などあらゆる部位に赤いパーツが生えている。さらに、その右手は左手と比べて赤いパーツが非常に多く、攻撃に特化した形になっている。
スネークダークネス。
名前の通り、蛇を闇の形に埋め込んだそれは、口から赤い光線を放ち、鍾乳石を爆炎色に染め上げていく。
「へえ……ちょっと手伝ってあげようか? ハルト君?」
グレムリンが、ウィザードの隣に並ぶ。
ウィザードはグレムリン、そしてトレギアとスネークダークネスを見比べ。
「分かってるよな? 俺はお前を絶対に許さない」
「ふうん……そういいきっちゃうのは悲しいなあ? ね? さやかちゃん」
その言葉と共に、人魚のファントムもまたウィザードの隣に並ぶ。
「あたしはアンタとは違うんだけどなあ……。結局アイツも聖杯戦争の参加者なんでしょ?」
「……」
「別にアンタに加担してるわけじゃないからね。アンタもそのつもりだったんだろうけど、あたしはアンタの敵でも味方でもないから」
「ああ。俺だって……人に手を出さない限り、あえて敵対するつもりはないよ」
「ファントムと戦うのは初めてだね……」
トレギアは指を回しながら、マーメイドとグレムリンへほほ笑んだ。
「どうか、お手柔らかに」
「出来るほど、あたし器用じゃないんだよね」
マーメイドはそう言って、レイピアで突撃する。
だが、トレギアは完全にその
「君は……面白いね」
トレギアは、グレムリンに顔を近づけながらそう言った。
すると、グレムリンもまた頷く。
「そうだね。僕も、君には何だか親近感がわいているよ。でも……」
グレムリンは、切り結んだ剣を収め、飛びのく。
すぐそばにある壁より潜ると、すぐにトレギアの足元から飛び出てくる。
「おやおや。中々な動きだね」
「ありがとう」
マーメイドの高速の連続突き。
だが、トレギアはせせら笑いながら指で白羽どりをした。
「悪くないが……そんなもの、私には通じない」
すでにトレギアの腕には、黒い雷が迸っている。
危険を感じたマーメイドは、即座に体を液体化。固体としての性質を捨て去った体は雷から逃避
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