アインクラッド編
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、思わず訊ねてしまう。
アスカがウインドウを開いて、自分のステータス画面を見る。
「もう少しで500ってところ」
「「「はあ!?」」」
キリトとクラインとエギルが同時に呆けた顔のなるが、致し方ないだろう。
この世界のスキルの熟練度はモンスターを倒すことによる経験値やステータス上昇とは何の関係もない。ただただ、そのスキルを使用することで微々たる量ずつ上昇していくだけだ。
攻略組として日々剣を振るっているキリトですら〈片手剣スキル〉の熟練度が500を超えたのはつい最近のことだ。
「どれだけ料理したらそんなに熟練度上がるんだよ・・」
「いや、戦闘関連のスキルより趣味スキルは熟練度の上昇率が少しだけ高いからな。自分の食べる分だけ作ってても気づいたらこれだけ上がってた」
何の気なしに答えながら、アスカも料理を口に入れる。
それが合図だったかのように、クラインもエギルも料理を手に取る。
その後は料理の美味しさのあまり、ろくに会話もせずに夢中になって料理を食べ続けた。
「ふー・・・美味かったぜ」
キリトがマズイと言っていた緑色の酒を飲みながらクラインが言った言葉にキリトもまったくもって同感だった。
美味しかった。この世界に来てから1番、と思えるほどに。
マヨネーズ風ソースが使われていたサンドイッチだけでなく、香辛料のスパイスが効いていた揚げ物も、同じくアスカお手製の調味料が使われていたサラダもスープも申し分ない味付けだった。
いくら料理の味は〈料理スキル〉の熟練度に完全に左右されるとはいえ、食材の組み合わせや調味料の調合にはセンスが必要なはずだ。
「料理好きなのか?」
キリトの問いにこちらはキリトが美味しいと言っていたコーラ似のジュースを飲みながら、アスカが答える。
「うーん・・・・・・向こうでも結構料理してたから、自分の食べるものくらい自分で作る方が違和感がない」
「ふーん・・・お店開けそうなレベルだと思うけどなー」
「まったくだ。ここまで美味しい料理作ってるお店の情報なんてないぞ」
キリトの賞賛に同意を示すエギル。
〈鍛冶スキル〉を上げた武器屋や〈裁縫スキル〉を上げた服屋、防具屋などと似たような感じで、〈料理スキル〉を上げたプレイヤーが料理店を開いているものがいくつかあるが、ここまで美味い料理を出すと情報が回っているお店は、かの〈鼠のアルゴ〉ですら知っていないはずだ。
「お店作ったら、お客様第1号になるな。きっと」
「作らないから」
キリトの宣言を素気なく切り捨てるアスカ。
「お店作ろうと思ったら、バカみてえなコルがかかるからな」
「それに、エギルさんみたいにかなりの数のスキルスロットを職業系スキルで埋めないといけない。とてもじゃない
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