バリーザウィッチの狙い
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「天界の法を破り、自分たちの世界の住民と結ばれ子を宿したということだったが・・・なかなかの遺伝子を残したものだな」
踵を返しこちらへと身体を向けるバリーザウィッチ。さっき俺が動いた途端に罠を発動させたことといい・・・まさかこいつも・・・
「シリル・・・私はある使命を受けてこの世界にやってきた」
「俺たちアースランドの人間を抹殺でもするのか?」
違うとわかっているものの、そう言いたくもなってしまう。当然彼は首を振り、笑みを浮かべた表情で答える。
「バーンから聞いているんだろ?俺たちは他の世界の住民を安易に殺すことはできないと」
「それが本当かどうか、疑わしいけどね」
確かにあいつらは仕留められるはずだった俺たちにトドメを刺さなかった。だが、こいつはこの国の住民たちに多大な被害を出している。それではその言葉を信用することなどできない。
「本当だよ。まぁ、この世界の住民同士が殺しあうことは我々には関係ないからね」
「そういうことか」
こいつはなぜこの部屋から出なかったのか・・・それは極力敵との戦闘を避けるため。自らが手を下すと法に触れてしまうが、指示を出す分には何も問題がない。ましてやその指示が生死に触れるものでなければ、彼に落ち度などないのだろう。
「それで?お前の使命って一体何なの?」
わざわざこの世界に来たからには何かしらの目的があることは間違いない。ただ、以前の奴らと同じ目的なんだろうと思っていると、予想しようがない回答が返ってきた。
「君を天界に連れ帰ること」
「・・・は?」
思っていた回答とはかけ離れた答えに思わず変な声が出てしまった。俺が唖然としていると、彼の後ろに人影が現れる。
「何ごちゃごちゃ話してんだよ!!」
俺たちの会話の隙を突いてバリーザウィッチに攻撃を仕掛けたユウキさん。しかし、彼の攻撃をバリーザウィッチは受け止めると、こちら目掛けて彼を投げつけてきた。
「なっ!?」
「うわっ!?」
距離も近かったこともあり、避けることができずにユウキさんごと隣の部屋まで飛ばされてしまう。その部屋も先ほどまで戦っていた部屋と同じように、畳張りの大きな窓がついた東洋の部屋になっていた。
ユウキside
「くそっ・・・」
バリーザウィッチの見た目と全く噛み合わないパワーを前に動揺が隠せない。おまけに俺の攻撃は全て防がれてしまうせいで、奴を倒せるビジョンが見えてこない。
「シリル、君がこちら側に来てくれれば我々は手を引く。全ては君の回答次第なんだ」
「っ・・・」
さっきからシリルのバリーザウィッチが何の話をしているのか全くわからない。ただ、話している最中は隙が
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