第一話 幸せとは何かその二十
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「私本当に汗かきだから」
「だからよ」
「注意しないと駄目ね」
「そのことはいいわね」
「わかってるわ、じゃあね」
「暑くなったらね」
つまり薄着になったらというのだ。
「気をつけなさい、ただ出来れば露出の多い服は」
「蚊じゃなくてもよね」
「あまりね」
「よくないわね」
「変に周りを刺激するから」
だからだというのだ。
「半袖や生地の薄いのは仕方ないけれど」
「足とか胸元とか腋見せたり」
「それと下着もよ」
これもというのだ。
「出来るだけね」
「透けたりしない様に」
「見せたりね」
「しないことね」
「商業科にいると無防備になりやすいから注意しなさい」
「やっぱり女の子が多いから」
「そう、男の子がいないか少ないとでしょ」
母は一華がそちらに通っていることからも話した。
「やっぱり無防備になるでしょ」
「皆結構ね。寮暮らしの娘も多いし」
「寮だと尚更よ」
「あそこ女の子だけだと」
「寮でのノリはそのままね」
まさにというのだ。
「出てね」
「無防備なのね」
「そうなってきてるでしょ」
「皆結構足見せたりしてるわ」
「そうよね。お母さんの時もそうだったわ」
母は食事を続けつつ憮然とした顔で述べた。
「商業科とか農業科の娘はね」
「八条学園の」
「お母さんは普通科だったけれど」
それでもというのだ。
「友達も沢山いたから見てきうたの」
「無防備だったのね」
「そう、体育の授業でもね」
この時もというのだ。
「お母さんの頃はもうブルマじゃなかったけれどね」
「ブルマってあれ下着でしょ」
一華はブルマと聞いてゴーヤを食べつつ言った。
「もう」
「お母さんもそう思うわ」
「そうよね」
「あんなの穿いたら」
それこそとだ、一華はさらに言った。
「すぐにショーツやお尻がはみ出て」
「大変だったみたいね」
「やっぱりそうよね」
「太腿も剥き出しでしょ」
「デザインもそうで」
下着そのものでというのだ。
「あんなの穿いて人前に出るとか」
「だからお母さんが学生の時にはよ」
「なくなっていたのね」
「その頃からなくなっていたの」
「そうだったのね」
「それでも何かとよ」
「商業科の人は無防備だったの」
「男の子がいないか少ない状況だったから」
つまり異性の目を気にしなくていい状況の中にいたからだというのだ。
「それでよ」
「無防備で」
「見ていて危なかっしかったわ」
「それで私もなのね」
「そうなるから」
無防備になるというのだ。
「注意しなさい。しかもあんた何か妙に可愛くなって色気も出て来て」
「それはいいことでしょ」
一華は母の今の言葉には笑顔で返した。
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