第二章
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宗慶は康慶そして神主と共にだった。
神社の中を隅から隅まで調べた、だが。
おかしなものは何処にもいなかった、それで康慶は宗慶に言った。
「何処にもです」
「あやかしの類はおらぬな」
「そうですね」
「全くな、しかしだ」
「それでもですか」
「いることはだ」
このことはというのだ。
「やはりな」
「間違いないですね」
「そうだ、何かがいるからだ」
だからこそというのだ。
「驚かされたり放り投げられる者がいる」
「そういうことですね」
「だからいることは間違いない」
「何かがですね」
「そのことを踏まえてな」
そうしてというのだ。
「もう一度よく調べる、それに妖気は感じるな」
「はい」
それはとだ、康慶もはっきりと答えた。
「それはです」
「それはわしもです」
神主も言ってきた。
「あやかしの気はです」
「感じますな」
「境内に。しかし」
それでもというのだ。
「何処にいるのかが」
「わからず」
「難儀しております」
そうだというのだ。
「どうにも」
「妖気は感じるのに姿は見えぬ」
康慶は深刻な顔になって述べた。
「まさにあやかしですな」
「そうであるな、妖怪にはな」
宗慶はこうも述べた。
「姿が見えぬものもいる」
「そうですね」
「しかし姿が見えなくてもな」
それでもというのだ。
「おることは間違いない、それに姿が見えずとも見えぬ場合もあれば」
「他にもありますか」
「見付けられない場合もある」
「こちらがですか」
「左様、この度はどちらか」
「そのことも考えることですか」
「そうであろう、だからもう一度な」
こうも言った。
「境内を隅から隅までな」
「神主殿に案内して頂いて」
「見よう、一度見て見付からずとも」
それでもというのだ。
「また見て見付かる場合もあるな」
「よく見ることも大事ですか」
「左様、ではもう一度見て回ろう」
こう言ってであった。
宗慶は康慶と共に神主の案内を受けて神社の境内の中をあらためて隅から隅まで見て回った。するとだった。
ふとだ、鳥居の上を見て言った。
「何かな」
「この鳥居にですか」
「妙なものを感じぬか」
「そうですか」
「うむ、若しかな」
その鳥居を見上げつつ話した。
「ここにな」
「あやかしがいますか」
「そうではないか」
「そういえば」
ここで神主も言った。
「この鳥居は高いので」
「それで、ですな」
「誰も上に上がったことはありませぬ」
「それでは」
「ここに何かが潜んでいても」
それでもというのだ。
「気付きませぬ」
「それでは」
「鳥井上を調べても」
「よいですな」
「そう思います」
「それでは」
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