第三章
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「それを磨いたらね」
「奇麗な宝石になるでしょ」
「そうだね」
「それは人間も同じでね」
「僕もなんだ」
「磨く、ここでは前髪を短くしたらね」
「そうなったんだ」
「そうよ、勉強だってしないとよくならないでしょ」
妹はこうも言った。
「だからよ」
「僕もなんだ」
「そうしたらもてる様になったのよ」
「そういうことだね」
「というか前髪を短くして髪の毛に櫛入れただけでそこまでになるから」
今度は兄の容姿全体を見て話した。
「私がアドバイスするからもっと磨いてみる?」
「もっとっていうと」
「だからメイクしたりファッションもね」
「そうしたこともなんだ」
「やってみる?」
「お前がそう言うなら」
前髪のこともあってそれならと頷いた。
「それじゃあね」
「うん、聞いていってね」
「そうさせてもらうよ」
千早も頷いた、そうしてだった。
千早は岬の言う通りのメイクやファッションをした、すると彼女にも負けない位の美形と評判になり。
「まさに美男美女」
「凄いカップルね」
「いや、絵になるわ」
「本当にね」
校内の誰もが二人を見てこう言った、そして。
男子達もだ、こう言った。
「お前本当に変わったな」
「中学の時は陰キャラって風だったのに」
「今じゃ読者モデルみたいだな」
「そうなったな」
「そうかな、そんな話はないけれど」
読者モデルとかはとだ、千早は笑って話した。
「けれど評判になってるのはね」
「お前もわかるよな」
「いけてるってな」
「相手の娘にも負けない位で」
「妹に言われてやってみたけれど」
千早は微笑んで述べた。
「僕も驚いてるよ」
「商業科は男もてるけれどな」
「それでもいいに越したことないしな」
「お前みたいなら余計にだな」
「一変したって言われるよ、けれど」
それでもとだ、千早は笑って話した。
「中学の時より今の方がずっといいかな」
「やっぱりそうだよな」
「じゃあこのままな」
「いけてるままでいろよ」
「そうしていくよ」
妹のアドバイスを受けてとだ、千早は彼等の言葉に頷いた、それでこの日は学校の帰りにケーキ屋に寄って。
彼女の好物のケーキを買った、そうしてそのケーキを妹にあげた。すると彼女は満面の笑顔になってこれからも宜しくと言った。
「これからもアドバイスするわね」
「そうしてくれるんだ」
「こんなお礼されたら」
それならというのだ。
「しないでいられないわ」
「そうなんだね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「ケーキ二つあるわね」
苺と生クリームのケーキがだった。
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