第六百三十五話 厳しい戒律を胸にその十一
[8]前話 [2]次話
「この国はまた凄いけれど」
「同性愛が罪になった人がいなくてか」
「ええ、それでもね」
「イスラエルは違ってか」
「昔だったらそれだけで死刑だったし」
「エウロパと同じだな」
欧州でもかつてはそうだった、何故ならキリスト教もかつては同性愛を厳しく戒めていたからである。
「それは」
「私はその趣味はないけれどいやらしい本の中で」
「同性愛の本はか」
「そもそもいやらしい本自体発禁だけれど」
イスラエルではというのだ。
「持ってるだけでそうで同性愛の本は」
「有罪か」
「そうなるの」
「本当に宗教国家だな」
ギルバートは心から思った。
「バチカンと同じだな」
「今のバチカンは緩やかでしょ」
「それはな」
「あれするなこれするなじゃないでしょ」
「寛容だしな」
「だから今もあれだけの勢力を持っているのよ」
人類最大の宗教団体だというのだ。
「その点ユダヤ教はね」
「そうした教えだからか」
「もう広まることはね」
それはというと。
「イスラエル市民とユダヤ系と子孫以外にはね」
「ないか」
「しかも布教考えていないから」
これもないというのだ。
「イスラエルとユダヤ系の人口が増えたらね」
「それで信者さんも増えるからか」
「いいってね」
その様にというのだ。
「考えているから」
「余計に厳しいか」
「むしろその中でね」
イスラエルそしてユダヤ系のコミュニティの中でというのだ、尚この時代でもユダヤ系の結束の固さは有名である。
「どんどんね」
「厳しくなっていくか」
「さっき言ったけれどイスラエルの外じゃかなりましだけれど」
「それでもか」
「私も色々守ってるでしょ」
「実際に親子丼食べないな」
「チーズバーガーもね」
こちらもというのだ。
「それであまり羽目を外すことも」
「出来ないか」
「交際も」
これもというのだ。
「同じユダヤ教徒でないと出来ないし」
「イスラエルだとな」
「しかも結婚するまでは手をつないでも」
「言われるか」
「そんな風だから」
「今は日本に暮らしていてもか」
「守っているわ、安息日もね」
ユダヤ教で定められたこの日もというのだ。
「しっかりとね」
「守ってか」
「そして後夜祭も」
この時もというのだ。
「そのことを守ってね」
「楽しむか」
「そうするわ」
こう言ってだった、アンはギルバートと共に後夜祭に出た。宗教の戒律は厳しいし意識しているがそれでもそうするのだった。
厳しい戒律を胸に 完
2021・9・9
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ