第二百二十五話 江戸城に兵をその十
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「だがな」
「そうでない港は手に入れる」
「そういうことだ」
「承知したであります、そして蝦夷は」
「この度は攻めない」
「一隻も向けないでありますな」
「奥羽に専念する、今は一切だ」
峰夫に強い声で告げた。
「手を出さない」
「奥羽に専念して」
「今は情報を集めてもな」
「それ以上はないでありますな」
「欲は張らず焦りもしない」
両方ないというのだ。
「そしてだ」
「蝦夷は次でありますな」
「それで一向に構わない、奥羽だけを考える」
「奥羽を手に入れて治める」
「そのことをな、蝦夷も広いしな」
英雄はこのことを念頭に置いていた、この地は人は少ないが広くかつ森や山が多くかつ奥羽以上に寒冷であることを知っているのだ。
だからだ、今はというのだ。
「そうした地だからな」
「だからでありますな」
「欲を出したり焦ってな」
「迂闊に攻めれば」
「奥羽攻めや後の政に差し障りが出る」
このことを危惧してというのだ。
「だからな」
「はい、ここは」
「奥羽だけだ、若しそこに向かえば」
「その者は罰する」
「そうする」
その返事は厳しいものだった。
「いいな」
「兎角奥羽ですな」
「今はな、ただないと思うが」
それでもとも言うのだった。
「蝦夷から攻めて来る者がいればな」
「退けるでありますな」
「その場合は容赦するな」
「それも一切」
「徹底的に攻めてだ」
その様にしてというのだ。
「追い返せ」
「そうするでありますな」
「そうした奴はまさにな」
「容赦しない」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「追い返す」
「わかったであります」
「では奥羽を手に入れる」
またしても強い声で言ってだった。
英雄は仲間達と共に全ての準備が整った為に移動の術で水戸城に入った、そこからすぐに大軍を率いてだった。
出陣した、それで北に進んでいったが。
その彼のところにだ、次々に報が入った。
「そうか、白河の関はか」
「開かれました」
「その地の国人が降り」
「そしてです」
「水から関を開きました」
兵達が馬に乗り兵を率いている英雄に話した。
「そうしました」
「これで我等はそのまま入られます」
「そうなりました」
「先陣は今そちらに向かっていますが」
「入って宜しいですね」
「入らねばならない」
これが英雄の返事だった。
「それならばな」
「はい、それでは」
「先陣はそうしますね」
「そしてそのうえで」
「我々もですね」
「入る」
そうするというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「ではその様sにしましょう」
「そしてそのうえで、ですね」
「奥羽に入りますね」
「そうする、あの関から北が奥羽だが」
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