第三章
[8]前話
「歩くだけでなく」
「フェリーも使いますか」
「バスにも乗りますし」
エクリプスの様にというのだ。
「それで地下鉄にもです」
「乗りますか」
「もう街公認なので」
その立場になっていてというのだ。
「フリーパスで」
「バスや地下鉄にですか」
「こうしてフェリーにも乗って」
見れば他の乗客達は皆彼を温かい目で観ている、それはシャハラも同じだ。
「街を旅しています」
「このダーダネルス=ボスポラス海峡もですね」
「フェリーで渡って」
そうしてというのだ。
「街の向こう側にも行っています」
「凄い賢さですね」
「エレベーターやエスカレーターにも乗れますよ」
それも出来るというのだ。
「ポジは」
「そうですか」
「本当に賢い子なんです」
シャハラはポジを温かい目で観つつ話した、そして。
そのうえでだ、二人がフェリーを降りる時は。
「クゥン」
「あれっ、待ってますね」
芽衣は驚いた、何と。
ポジは人が下りるのを待っていた、そしてだった。
最後に下船した、それを見て驚いて言った。
「他の人が下りるのを」
「そうなんです、乗る時も降りる時もです」
「人が乗って降りるのを待って」
「それから最後に自分がです」
「そうですか」
「乗っている間はじっとしていましたね」
「凄く大人しかったです」
芽衣が見てもだ、このことにも感心していたのだ。
「本当に」
「それに加えてなんですよ」
「ああしてですね」
「礼儀正しく紳士的にです」
その様にというのだ。
「待っています」
「素敵な子ですね」
「シアトルの娘と同じで」
エクリプスの様にというのだ。
「そうします」
「そうですか」
「どちらの子も人間以上に紳士的ですね」
「そうですね、私達も負けていられないですね」
「犬もこうして賢くて礼儀正しいですからね」
「はい、本当に」
「そうあるべきですね」
シャハラは芽衣に笑顔で話した、そして芽衣は彼女の言葉に笑顔で頷いた。
そうして下船したポジを見た、彼は最後に下りて歩いていった。芽衣はそんな彼を見てあらためて笑顔になってシャハラと共に自分達が行くべき場所に向かった。見ればその動きは前より礼儀正しいものだった。
人間以上に紳士的に 完
2021・10・27
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