第一章
[2]次話
人間以上に紳士的に
東京在住のOL市川芽衣はこの時アメリカワシントン州シアトルに仕事で来ていた。茶色がかった癖のある長い髪を後ろで束ね一六七程の出るところは出ているすらりとしたスタイルでやや面長の顔でメリハリの利いた目立つ顔立ちをしている。二重の流麗な目にある長い睫毛が印象的だ。
その彼女がバスに乗っていた時にその中に。
黒いラプラドールとブルマスチフのハーフの犬を見た、芽衣はその犬を見て最初こう思った。
「盲導犬?けれど」
「ああ、違うよ」
シアトルで一緒に仕事をしているロバート=ヤン黒髪をオールバックにしていて黒い細い目で薄い唇で一七六位の背のやや痩せた中年の男性が応えた。
「あの娘はね」
「あの娘ですか」
「雌なんだ」
ヤンは芽衣にまずは性別から話した。
「名前はエクリプスといってね」
「名前もご存知ですか」
「この街じゃ有名犬だよ」
有名人ならぬそれだというのだ。
「ああして毎日バスに乗って公園のドッグランの場所に行ってるんだ」
「そうなんですか」
「そこで友達の犬達と会って一緒に遊ぶのが好きなんだ」
「そうですか、ただ」
芽衣は怪訝な顔になってヤンに言った。
「犬が一匹で」
「バスに乗ってることがだね」
「凄いですね」
「凄い賢い犬なんだ」
「飼い主さんは」
「おられるよ、まあ詳しい話は公園に行ってからにしよう」
それからだというのだ。
「まずはね」
「公園ですか」
「幸い今の私達には時間がある」
今今日やるべき仕事が終わったところだ、それで二人共フリーになったのだ。それでヤンは芽衣に笑顔で話したのだ。
「だから公園に寄ろうか」
「そのドッグランの場所がある」
「レース場にね、そこで詳しい話をするよ」
「お願いします」
芽衣も面白そうな話と思い頷いた、そうしてだった。
二人で公園に行くことにした、エクリプスは公園の最寄りのバス停で降り。
そのうえで彼女についていった、すると。
エクリプスはレース場に着くとまずは様々な犬と仲良く遊びだした。
「ワン」
「ワンワン」
「ワンッ」
「クゥ〜〜ン」
「クンクン」
その後で走りだした、ここでだった。
穏やかな顔立ちの老人、白いものが多くなっているブロンドの髪で緑の目の彼が二人のところに来た、そうして言ってきた。
「あの娘の飼い主だよ」
「ジェフ=ヤングさんだよ」
ヤンが芽衣に彼女のことを話した。
「彼女の飼い主だよ」
「貴方がですか」
「うん、普段はとても素直でいい娘でね」
ヤングは芽衣に笑顔で話した。
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