第一章
[2]次話
猫軍曹
ケリー=ハックマン軍曹はこの時イラクのアメリカ陸軍のキャンプにいた。ブロンドの髪を後ろで束ね青い目で引き締まった顔立ちと身体つきである。
その彼女が今キャンプ内で目に瘡蓋があり尻尾は俺て痩せ細っている茶色と白の猫が休み休み歩いているのを見ていた。
そして同僚達にだ、こう言った。
「あの猫危ないわね」
「そうだな」
「かなり弱ってるな」
「獣医に診せた方がいいな」
「あの調子だと」
「そうね」
こう答えるのだった。
「じゃあすぐに獣医のところに連れて行くわ」
「アメリカ軍は何でもあってな」
「誰でもいるからな」
「こうした時でもな」
「アメリカ軍でよかった」
「本当にな」
「だから」
それでというのだ。
「今から連れて行くわ」
「そうしような」
「せっかくキャンプに来たんだ」
「それだったらな」
「助けよう」
「そうしよう」
同僚達も賛成してだった。
ケリーはその猫を獣医に診せた、すると猫は暫く入院して目も尻尾も回復し栄養ももらって気延期になった。
そうして退院すると一旦キャンプから出た、そうしてだった。
戻ってきたがその時は。
「ニャア〜〜」
「ニャア」
「ウニャア」
二匹の自分そっくりの子猫を連れて来た、ケリーはその子猫達を見て同僚達に話した。
「この猫雌だからね」
「それでか」
「子供がいるか」
「そしてその子供達をか」
「ここに連れて来たか」
「そうみたいね、だったらね」
それならとだ、ケリーは同僚達に言った。
「この三匹は私が飼うわ」
「そうするか」
「ハックマン軍曹が飼うか」
「そうするんだな」
「三匹共ね。この娘はウィスカー猫軍曹ね」
こう二人に話した。
「それで二匹は雄ね、それぞれパトリック兵長とエイジ兵長にね」
「名前をつけるか」
「そうするか」
「そうして飼うか」
「ええ、そうするわ」
こう言ってだった。
ケリーは三匹をキャンプの中で飼いはじめた、だが彼女がアメリカに戻るその時が近付いてきてだった。
それでだ、上官である少尉に話した。
「三匹共合衆国の家にです」
「送るか」
「この日が来ることはわかっていましたし」
アメリカに戻るその日がというのだ。
「前から考えていまして」
「それでか」
「はい」
若いアフリカ系の少尉に答えた。
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