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提督はBarにいる・外伝
提督のBlackOps遍
探り合い
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「まぁ、それは仕事が済んでからな。早速移動しようか?」

「では、こちらへ」

 長門の案内で鎮守府の庁舎内に通される。探り合いはここからが本番である。





 執務室に通された提督と青葉は、ソファに腰掛け秘書艦の長門とこの鎮守府の大淀と向かい合わせになる。

「さて……当鎮守府に内乱の疑いアリ、と聞きましたが?」

「あぁ。と言っても俺達も代理人みたいなモンでね。軍令部の知り合いから頼まれたんだよ」

 お陰で俺の監督責任も問われそうだ、と苦笑いをする提督。と同時に代理人であるから情報の出所は明かせない、と釘を刺す。

「そうですか……それでそちらの青葉は?」

「あぁ、聞き取りに集中したいんでな。書記みたいな物だ」

「よろしくお願いします!……っと、こりゃ失敬」

 勢いよく敬礼をしたもんだから、持っていた万年筆を落とす青葉。そそっかしいなと場の空気が若干和んだ所で本題に入る。

「さて……本来なら提督自身に話を聞くべき所なんだが、指揮の最中に怪我したって?」

「はい。以前から攻略に勤しんでおりました海域で手強い敵が現れました。現場で直接指揮を執ると申されました提督が狙われまして」

「ふ〜ん……それで?提督は今どちらに?」

「生憎とこの様な島では医療設備も足りないので、ボルネオ島(ブルネイがある島)にある病院に」

「じゃあ後でその病院を教えて貰うとして……取り敢えずは運営状況の解る資料を見ながら、話を聞かせてもらおうか」

 提督達と秘書艦・長門の会談は穏当に終わった。資料を見る限り運営状況に問題はなく、士気も高い。提督不在という困難な状況なれど、大して問題はない、と提督は結論付けた。

「いやいや、どうやら軍令部の勘違いだったらしいなぁ。すまんな、要らない疑いを掛けて」

「いえ、彼方も疑って掛かるのが仕事でしょうから」

「そう言って貰えると助かるなぁ。ま、こっちからももう少し調査の精度上げるように釘を刺しておくわ」

「そうして貰えるとこちらとしても有難いです」

「んじゃ、最後に鎮守府内をぐるっと一回りさせてもらえるかね?一応施設も確認したって体を作らんといかんから」

「では、大淀に案内させましょう」

「いいや、それには及ばんよ。腐っても提督だ、大体どの辺に何があるかは雰囲気で判る」

「では、また」

「ああ、じゃあな」

 そう言って提督と青葉は執務室を後にした。

「……仕掛けられたか?」

「バッチリです。向こうも落とし物とは思っても、盗聴器とは気付かないでしょう」

 先程の会談中、2人はとある小細工を弄していた。会話の前に青葉が万年筆を落としたが、実はそれはわざとであり、万年筆に偽装した
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