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イベリス
第二十六話 部活ではその十二

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「純文学の楽しみ方の一つよ」
「そうなのね」
「だから咲ちゃんも純文学読むなら」 
 その時はというのだ。
「作家さんの生い立ちとかもね」
「調べると面白いのね」
「これがね」
「それ漫画家さんだとね」 
 それならとだ、咲は話した。
「あまりね」
「ないでしょ」
「そういうの伝わってる人なんてね」
 それこそというのだ。
「おられても」
「鴎外さんみたいにはでしょ」
「酷い人そうはいないと思うわ」
「流石にね」
「その酷さを見ることもね」
 このこともというのだ。
「面白いし人生の勉強にもね」
「なるの」
「こうした人とは付き合ってはいけないとかね」
「森鴎外さんにしても夏目漱石さんにしても」
「作家としてはよくても」
 それでもというのだ。
「人間としてはね」
「最低だから」
「そう、本当にね」
 まさにというのだ。
「彼氏とか旦那さんにはね」
「持つべきじゃないわね」
「そうよ」 
「それ私も思ったわ」
「でしょ?咲ちゃんも」
「どうしてもね」
 咲も同意だった。
「それは」
「そういうことも勉強していって」
「人生の教訓にするのね」
「そうしないとね」
「人生の教訓に」
「勉強したことはね、漫画を読んでも」
 それもというのだ。
「そうなるでしょ」
「確かにね」  
 それはとだ、咲も頷いた。
「漫画と言っても馬鹿に出来ないわ」
「そういうことよ、じゃあこれからもね」
「漫画読んでいくのね」
「そうしましょう、じゃあこれ読むわ」
 同級生は純愛漫画を手に取った、そうしてだった。 
 その漫画を読みはじめた、咲は格闘漫画それも友情努力勝利がテーマのそれを読んだ。そして部活が終わってから言った。
「いや、感動したわ」
「私も。漫画から得られるものは多いわ」
「本当にそうね」
 こう同級生に応えた、そして二人で一緒に帰りながら漫画の話を続けた。それはお互いが別れるまで続いた。


第二十六話   完


                  2021・8・8
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