第14節「呪いの凶刃」
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は大きくバランスを崩し、仰向けに宙を舞って地面を転がった。
「がは……ッ!」
「許すと思うな……。俺は響を守ると誓った!響を脅かすと云うのなら、相手が何であれ絶対に許さないッ!」
そうだ。もう二度と手放すものか。
この手は絶対に、彼女の手を取りこぼさない。
何があっても、必ず守る──
「あはははははッ!」
「あ──うわああああああああああッ!!」
その時、耳をつんざくような悲鳴が鼓膜に突き刺さった。
「響!?」
咄嗟に振り返るとそこには……
舞い散る水飛沫と、いつから居たのか柱の陰で嗤うガリィ。
笑いながら頭上を見上げる赤毛のオートスコアラー。
破壊されたビルの天井。
そして……
「ァ……、ァ………………」
赤毛のオートスコアラーが放つ結晶状の武器にコンバーターを貫かれ、ギアを砕かれて落下する響の姿があった……。
「響……?」
嘘……だろ……!?
「響ッ!」
未来の悲痛な声が響く。
砕かれたとはいえ、ギアの効果なのかゆっくりと落下してくる響。
俺はノエルと戦闘中だった事を放り捨て、落下してくる響を救出するため走りだす。
地面につく前に受け止めると、響の全身を覆っていた光が消え、辛うじて残っていたインナーも消滅する。
そして破損したペンダントが、カランと音を立てて転がった。
「あ……響ッ!響ッ!響ッ!いや……ッ!響ぃぃぃッ!!」
未来の悲痛な叫びが、戦いで壊れた廃墟に反響する。
「響ッ!しっかりしろ!響ッ!春谷さん、響が──」
「よ……も……ずを……」
背筋にゾワリと悪寒が走る。ノエルの方からだ。
響を庇うように抱えたまま、俺は背後を振り返る。
そこには、先程の長剣を杖代わりにして、ゆらりと立ち上がるノエルの姿があった。
俯いているから、顔は見えない。
だが……先程までとは、まとう雰囲気が違っていた。
「よくも僕に傷を負わせたな、風鳴翔ぉぉぉぉぉッ!!!!!!」
怒号。
それは先程までの丁寧な言葉遣いではなく、ただただ怒りに任せた絶叫だった。
瞳孔をかっ開き、その表情からは笑みが失せ、鬼気迫る表情で俺を真っ直ぐに睨み付ける。
あまりの豹変ぶりに、オートスコアラー達でさえ驚いているようだった。
「ちょっとノエルちゃん、キャラ変わりすぎじゃないです……?」
「怖いゾ……あいつ、なんか怖いゾ〜!?」
ノエルが握る長剣が放つ、禍々しいオーラが増していく。
ヤバい、何かヤバいッ!!
「未来!!響を連れて離れろッ!!」
「えっ!?」
「早く!!逃げろッ!!」
未来に響を預け、落ちていたペンダントを握らせる。
次の瞬間、ノエルは怒りに任
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