五十三 招かれざる客
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そんな大袈裟なことじゃねぇよ」
そっぽを向くシカマルの背中をアスマは「照れるなよ」とバシバシ強かに叩いた。
「痛いっての」
「気になるから守りたい…そうなんだろ?」
痛みを訴えるシカマルへ、アスマは更に問いかける。
口ごもった相手の名前をあえて出さずに意味深に語るアスマへ、シカマルはやはり依然として顔を合わせずに素っ気なく答えた。
「…同じ木ノ葉の忍びだからってだけだよ」
「そ―かい」
くつくつ、と肩を震わせ笑ったアスマは、里を眺める。
平和の象徴ともいえる長閑な光景を前に、アスマは穏やかに言葉を続けた。
「その火の意志が里を照らすんだ…ま、親父の受け売りだがな」
今は病院の奥の病室で寝たきりになっている三代目火影を思い浮かべながら、アスマは眼を細める。
煙草をプラプラと揺らすアスマの隣で、いきなり立ち上がったシカマルは、肩越しに振り返った。
「んじゃ、いつかアスマも照らしてやるよ……なんてな」
生意気な答えに、ふ、と口許に笑みを湛えたアスマは、上手そうに煙草を吸い込んだ。
「ま、お前さんはナルが一番気になるようだがな」
「んな…べ、べつにナルだけじゃねぇよ」
「照れるな照れるな」
言い当てられ、かッ、と顔に熱が上る。
顔を赤くしたシカマルが言い訳するも、ガハハハッ、と豪快に笑うアスマを見ていると毒気が抜かれてゆく。
ややあって、二人の哄笑が木ノ葉の里を明るく照らすように響き渡っていった。
過去の情景を思い出して、シカマルは静かに双眸を開ける。
途端、タイミング良くライターの火がかちりと点いた。
息を深く吐いて、シカマルはアスマの形見であるライターの火を見つめる。
今からシカマルが何をしようとしているのか理解して、飛段は暴れた。
身体を縛る起爆札付きワイヤーから逃れようとする。
しかしながら、暴れれば暴れるほどワイヤーは強く身体に食い込んでくる。
「これは火の意志だ…俺達の里を守ろうという強い意志だ」
その言葉を最後に、シカマルはライターを穴へ投げ入れる。
ライターの火は飛段の身体中の起爆札の一つに触れた。
着火、
そして、爆発。
誘爆も続き、白煙が立ち上る。
大きな爆発と火炎が飛段を呑み込んでゆく。
その火に照らされたシカマルの顔は、ただ、静かだった。
「影使いの小僧に助けられたな」
「それを考慮してもあの術は攻撃回数が桁外れだよ」
カカシと同じく、角都の一瞬の隙に気づいた再不斬が、力を使い果たして倒れ伏
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