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八条学園騒動記
第六百三十五話 厳しい戒律を胸にその六

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「化け猫が狂犬病に罹った猫だとはな」
「そうだったのね」
「それだと化け猫より怖いな」
「狂犬病だとね」
「そして猫もな」
 この生きものもというのだ。
「やはりな」
「危険よね」
「狂犬病については」
「そうよね」
「しかしコーランではな」
 イスラム教の聖典ではというのだ、誤りはないとされている。
「猫はいいとされている」
「犬と違って」
「犬の唾液は不浄だが」
 しかしというのだ。
「それでもな」
「猫は違うのね」
「猫はいじめるなとも言われている」
「扱いが全く違うわね」
「預言者ムハンマドは猫好きだった」
 このことは歴史にもある。
「だからな」
「それでなのね」
「猫を大事にしていてな」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「コーランにも書いたのね」
「そうだった」
「それ面白いわね」
「そうだな、それでイスラムでは今もな」
「犬の涎は気をつけていても」
「犬自体はな」
「人気があるのね」
「そうだ、犬は飼う前に舐めないことを躾されて」
 そうしてというのだ。
「家族に迎えられる」
「そうなっているのね」
「犬も必要だしな」
「番犬にもなるしね」
「色々働いてくれる」
 だから牧羊犬もいれば狩猟犬も警察犬も救助犬も存在しているのだ、犬は兎角色々と働いてくれるのだ。
「だからな」
「犬はムスリムの人達の間でも愛されているのね」
「そうなっている」
「そうなのね」
「そこを見てもな」
「イスラム教って寛容なのね」
「そしてアッラーもな」
 神もというのだ。
「同じだ」
「そうなのね」
「そしてだ」
 それにというのだ。
「僕もだ」
「楽しむのね」
「そうする、そしてな」
 ギルバートはさらに言った。
「君と一緒にいたい」
「そこでそう言うのね」
「駄目か」
「駄目な筈ないでしょ」
 アンはギルバートに微笑んで答えた。
「私だってね」
「僕と一緒にいたいんだな」
「同じよ」
 顔を赤くさせて答えた。
「そのことはね」
「それじゃあな」
「イスラエルにいなかったら」
 ここでアンはこうも言った。
「宗教が違う人と付き合ってもね」
「いいか」
「イスラエルじゃイスラエル市民はユダヤ教徒で」
 ユダヤ教徒でないと市民権を得られないのだ、それ故にイスラエルは連合の中で宗教国家と言われるのだ。
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