第六百三十五話 厳しい戒律を胸にその三
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「夢でお告げを受けたとか言ってな」
「それだけでなのね」
「改宗出来る」
「だから信者さん爆発的に増えたのね」
イスラム教黎明時にだ、この宗教が忽ちのうちに巨大な勢力となったことにも理由が存在しているのだ。
「そうなのね」
「改宗が楽だしな」
「寛容だからなのね」
「信者になった利益もあったしな」
勢力拡大の際それを見せたのは言うまでもない。
「だからな」
「あっという間に勢力が拡大して」
「今もだ」
「連合でも信者さん多いのね」
「しかも他宗教とは衝突しない」
そうだともいうのだ。
「売られた喧嘩は買うが」
「売られないとね」
「何もしない」
そうだというのだ。
「イスラムはな」
「だから連合でも平和なのね」
「連合は宗教では殆ど揉めないしな」
「他のことで揉めるからね」
利害の衝突で、である。この国は信仰や文化では衝突することは稀だ。
「国益やら団体のね」
「お互いの利益を巡ってだな」
「各国間やら各国の間でもね」
「衝突は絶えないがな」
「それでもね」
「宗教や文化や民族ではな」
そして人種ではだ。
「揉めないな」
「そこは割り切ってるわね」
「揉めるなら」
それならというのだ。
「本当にな」
「そうしたことで、だからね」
「平和と言うならな」
「平和ね」
「戦争には至らないしな」
デモや議論やネットでの煽り合いそして選挙となるのだ。
「だからな」
「サハラと違ってね」
「平和だ、サハラは何かあるとな」
それこそというのだ。
「戦争だからな」
「そうよね」
「同じイスラムでもな、では後夜祭ではな」
「お肉食べて」
「そしてお菓子も食べてだ」
そうしえというのだ。
「そのうえでな」
「お酒も飲むのね」
「そうしたい、アッラーよお許しを」
ギルバートは真面目にこの言葉を出した。
「今から酒を飲みます」
「それじゃあね、しかしそれで飲んで許されるっていいわね」
「ユダヤ教だとか」
「本当にちょっとしたことでね」
「コーランだと何でもないことで」
「神罰があって」
そうしてというのだ。
「もう徹底的にね」
「報いを受けるな」
「そのことを思ったわ」
アンにしてもというのだ。
「イスラム教のお話を聞いてね」
「そうか」
「ええ、コーランの神罰の少なさ」
「まずないことだな」
「モーゼも受けてないでしょ」
「ムーサーだな」
コーランでモーゼはこの名前で登場している、ヘブライ語の呼び方をアラビア語に変えているのだ。
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