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ハッピークローバー
第一話 幸せとは何かその九

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「男の子はすぐに相手出来るけれど」
「私達女子はっていうとね」
「もう取り合いよ」
「その男の子のね」
「そうなのよね」
「商業科と農業科はね」
 一華も言った。
「女の子の方が多いから」
「看護科もでしょ」
「あそこもだったわね」
「この三つの科はね」
「女の子が多くてね」  
 それでというのだ。
「お互い気兼ねしないけれど」
「彼氏ゲットになると」
「もう奪い合いになって」
「ちょっと遅れるとね」 
「一人なのよね」
「そうなるのよね」
「お陰で私達四人は彼氏なしよ」
 留奈も言ってきた。
「残念なことにね」
「商業科はカップルばかりだってのに」
「校舎の中はね」
「もうイチャイチャでね」
 やれやれという感じの苦い顔になってだった、一華は述べた。四人共どうにもという顔になってそのうえで団地までの道先程かな恵が成海に背負われた道を歩いている。
「至るところで」
「妬けるわよね」
「ところが私達はね」
「ご覧の通り彼氏なし」
「お陰でキスもしたことなし」
「手をつないだことすらね」
「中学で経験するとかね」
 一華はそのケースも話した。
「まあないしね」
「中学だと早いでしょ」
 富美子は少し真顔で述べた。
「やっぱり」
「そうよね」
「あたしも経験ないけれど」
 富美子はこう前置きして話した。
「中学生でキスとかね」
「早過ぎるわよね」
「やっぱり高校に入ってからよ」
 それからのことだというのだ。
「本当にね」
「そうよね」 
 一華もその通りだと頷いた。
「それはね」
「だからこれからだってのに」
「彼氏ゲット出来なかったから」
「この通りよ」
「そっちでは寂しいわね」
 四人これはかな恵もだが八条学園高等部商業科に所属している、高校一年生でまだ入学したばかりだ。
 五人共同じ団地に過ごしていて小学校の時から同じだ、元々友人同士で仲が良く五人が五人共同じクラスだったこともある。そして高校に進み商業科に入って同じクラスになってよく一緒にいる様になっているのだ。
 それでこの日はカラオケを楽しんでいたが。
 一華は女の子四人だけになってから述べた。
「成海君工業科よね」
「それがどうかしたの?」
 留奈は一華に顔を向けて問い返した。
「別にね」
「何でもないっていうのね」
「工業科だから何って思うけれど」
「いや、工業科って男の子多いでしょ」
 一華が言うのはこのことだった。
「商業科とかが女子多くて」
「だからそれでどうしたの?」
「かな恵みたいによ」
 一華は真剣な顔で述べた。
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