最終話 温もりその七
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「皆がいてそしてね」
「僕達は二人になったね」
「そうなったわね」
「この温もり忘れないよ」
僕は香織さんに約束した。
「一生ね」
「私もそれじゃあ今から」
「帰ろうね」
「八条荘までね」
二人で顔を見合わせて笑顔で話した、そして。
僕達は手をつないだまま八条荘に戻った、中に入るその時には皆に見られると恥ずかしいので二人共手を離していた。
けれど玄関に入って香織さんは僕に言った。
「何時でも何処でもね」
「手をつないでいられる様なね」
「そんな風になりたいわね」
「そうなったらいいよね」
「隠すことじゃないけれど」
それでもとだ、僕に恥ずかしそうに笑って話した。
「何かね」
「どうしても恥ずかしいからね」
「今は手を離したけれど」
皆が身ている様な場所だとだ。
「けれどね」
「それでもね」
「出来れば近いうちに」
「そうした風になりたいね」
「そうよね」
こうした話をしてそうしてだった。
僕達はこの日は別れてお休みなさいと挨拶をした、そうしてだった。
眠りに入った、翌朝起きるとだった。
僕はすぐに朝食を食べに食堂に向かった、するとここで畑中さんとばったり出会って挨拶を交えさせた。見ると。
畑中さんは身体が上気されていた、それを見て僕もすぐにわかった。
「鍛錬をされて」
「はい、入浴もです」
「そうなんですね」
「元旦もそうでしたし」
「毎日ですね」
「朝起きれば」
その時はというのだ。
「私はまずはです」
「鍛錬からですね」
「はじめます」
「それは変わらないですね」
「鍛錬なくしてです」
それこそというのだ。
「私はありません」
「あの木刀を振られて」
「素振りもしまして」
そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「スクワットもですね」
「しまして」
「汗を流されてますね」
「その後で身体を清めます」
お風呂に入ってというのだ。
「そして今しがたです」
「お風呂から出られたんですね」
「そうしました。水分も補給しました」
「それは何よりですね」
「気持ちのいい朝です」
畑中さんは微笑んでこうも言われた。
「そして今からです」
「朝ご飯もですね」
「頂きます」
「わかりました、それじゃあ」
「去年一年は素晴らしい年でした」
畑中さんは僕に笑顔でこうも言われた。
「義和様ともお会い出来ましたし」
「それ言うと僕がですよ」
僕も笑った、そのうえで畑中さんに答えた。
「畑中さんのお陰で」
「去年はですか」
「素晴らしいものになりました、畑中さんがおられなかったら」
それこそだ。
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