最終話 温もりその一
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最終話 温もり
夕食の時食堂に行くと皆いた、そしてメニューは。
「おせちですか」
「お正月なので」
小野さんはにこりとして答えてくれた。
「実はご本家で」
「作ったものですか」
「そうです、それをです」
そのおせちをというのだ。
「送ってもらいました」
「そうですか」
「私も作った中にいましたが」
それでもというのだ。
「今回は全部自分で作ったものではないです」
「そうなんですね」
「そして」
小野さんはさらにお話してくれた。
「今年のおせち料理は」
「色々ありますね」
「和食だけでなく」
「洋食も中華もですね」
「揃えました」
「そうなんですね」
「八条家のシェフの中で話をして」
そしてというのだ。
「その様にです」
「されましたか」
「棒鱈や牛蒡は外しました」
「そういったものは外国の人にはですね」
「あまり馴染みがないので」
「そういったものはですか」
「洋食や中華の」
そちらのというのだ。
「メニューにしました」
「ローストビーフとかありますね」
「茶卵も」
こちらは中華料理だ。
「ありますが」
「唐揚げもありますね」
「オードブルを意識しました」
「そうですか」
「ですからテリーヌもです」
こちらの料理もあった。
「用意しました」
「そうなんですね」
「そして生春巻きも」
ベトナム料理のそれもあった。
「まさに和漢洋です」
「全部揃えたんですね」
「左様です、ではお召し上がり下さい」
「わかりました」
僕も皆も応えてだった。
そうしておせちを食べはじめた、おとそに日本酒だけでなくビールやワインもあった。皆はそちらも楽しんだ。
気付けば満腹になっていておせちもなくなっていた、僕は全てがなくなった重箱達を見て笑って言った。
「お正月から」
「満足されましたか」
「はい」
畑中さんに笑顔で答えた。
「本当に」
「それは何よりです。一年の計は元旦にありですから」
「だからですね」
「元旦から満足されますと」
それならというのだ。
「かなりです」
「いいですね」
「やはり満足出来てこそ」
「人生はいいですね」
「不平不満なぞ持たず」
そのうえでというのだ。
「そうなってこそです」
「いいですね」
「ですから今満足されているなら」
「よくて」
「私もそうですし」
畑中さんもというのだ。
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