暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第103話:世界に届く唄
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寄る。特にマリアは、ナスターシャ教授がウェル博士により制御室毎地球から放り出された事を知っているので、生存を報せる声を聞けて安堵していた。
『セレナ、あなた大丈夫なのですか!?』
「うん、私は大丈夫。それよりマム? マムの方こそ大丈夫なの?」
声しか聞こえないが、それでも声の調子からナスターシャ教授の不調をセレナは感じ取った。
『心配には及びません。それより、あなた達の歌に世界が共鳴しています。これだけフォニックゲインが高まれば、月の遺跡を稼働させるには十分です! 月は私が責任を持って止めますッ!』
「マムッ!?」
覚悟を決めたナスターシャ教授の言葉。これが最後の通信になると察し、マリアは思わず声を上げる。
セレナはナスターシャ教授が打ち上げられた事は知らない。だがナスターシャ教授の言葉と、何よりもマリアの様子から同様にナスターシャ教授が命の危機にある事を察した。
「姉さん……マムは……」
『私の事は気にしなくとも大丈夫です』
どの道老い先短い身だ。残り少ない命を、世界を救う為に使えるのであれば悔いはない。
いや……正確に言えば心残りはある。
ここで別れては、マリアもセレナも悲しむのは分かっている。それに調や切歌に別れの挨拶が出来ない事も残念だし、ガルドとの再会を喜べないのも悔いとなるだろう。
だが最早時間はないし、何よりも最期の言葉を伝えたい相手はマリア以外にあり得なかった。
世界を救う為とは言え、悪を演じさせ一番辛い役割を押し付けてしまった。その事への懺悔でもあるし、同時に自分が最も信頼しそして自分を信頼してくれた。
そんな彼女にこそ、ナスターシャ教授は言葉を投げかけたかった。それはマリアを縛り付けてしまったナスターシャ教授の責任でもあるし、それと同時にマリアの母替わりを努めてきたものの義務でもあった。
『もう何もあなたを縛るものはありません……行きなさい、マリア。行って私に、あなたの歌を聴かせなさい』
「マム……」
言外に全てを託すと言うナスターシャ教授からの信頼の表れでもある言葉は、今までマリアを縛り付けていた鎖を解き放った。
マリアは大きく頷き、涙を拭うと遠く地球を離れつつあるナスターシャ教授に向け笑って応えた。
「オーケー、マム。世界最高のステージの幕を上げましょうッ!!」
「姉さん、私も…………あ――」
マリアに続きセレナも立ち上がるが、瞬間セレナの視界が暗くなり崩れ落ちそうになる。マリアは倒れそうになるセレナの体を慌てて支えた。
「セレナッ!?」
『思った通り、本調子ではないようですね。無理はいけません、セレナ』
「でも、私……姉さんを助けたくて……」
マリアを手助けしたくてここまで来たのに、何
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