恐怖と不安
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わかっていないんだ」
今まで表舞台には出てこなかったバリーザウィッチの魔法などは完全にベールに包まれている。本気になった時の相手がどれだけの力を持っているのかわからない状態で、安心しろと言われても納得できるわけはないよね。
「それでも大丈夫だと思います。いざとなれば、とっておきもありますから」
「とっておき?」
ニヤリと笑みを浮かべながら左腕を押さえる。それを見て彼も何かを察したのだろう、一瞬驚いた顔を見せた後、小さくうなずいてみせた。
ウェンディside
「うわ〜・・・これはひどいね〜」
地下通路から街の中に出ると、そこには悲惨な光景が広がっていました。いや、私たちがやったことなので、そんな言葉で済ませていいわけはないんですけど・・・
「でも相手の兵隊たちはほとんど倒してるみたいよ」
「うん。それに、誰も死んでる人がいないのはよかった・・・よね?」
相手の部隊と思われる方々は爆弾魔水晶によってボロボロの姿で倒れていたけど、全員一命は取り留めているみたいです。爆弾魔水晶《ラクリマ》の威力がそこまで高かったわけではなかったことが幸いしたみたいですね。
「皆さん、何人かはこの人たちの治療をお願いします!!残った人は私たちに付いてきてください!!」
いくら闇ギルドの人とはいえ殺してしまうのはさすがに妖精の尻尾の一員として許されません。ただ、ミハエルさんとジェリーさんのチームがうまくいっているかを確認しなければならないので、治癒魔法を持っていても私はここに残ることはできません。
なので、数人にここは任せて、残りの半分ほどの人数を引き連れて近くにいるミハエルさんとジェリーさんのチームの様子を見に走り出したところ・・・
「お!!」
「あら」
すぐ先の十字路でお二人のチームと合流することができました。
「ミハエルさん!!ジェリーさん!!」
「あんたたちも来てるってことは?」
「あぁ、うまくいったよ」
どうやらお二人のチームも私たちのチームと同様に相手の殲滅を成功させたようです。ここまで作戦がうまく行っているのはすごいこと・・・なんだけど・・・
(こんなにうまくいくと、本当にシリルはどうしちゃったのって思っちゃうよね)
普段からやっている作戦であれば、うまく行くのは想定できます。でも、今回の相手を殺めてしまうかもしれないような作戦は今までやったことがありませんでした。それなのに、ここまで完璧にことが運んでいくと不安な気持ちが大きくなってしまいます。
「どうした?ウェンディ」
「大丈夫?」
二人が心配そうな顔で私の顔を覗き込みます。たぶん・・・私の顔は不
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