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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
ポテンシャル
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いた。
















栞里side

小気味いい音を鳴らしてボールを捕球する少女。その後の返球されるボールも胸元付近にほとんど来るため、私は驚かされていた。

(まだ初めて一ヶ月も経ってないのに……)

この試合が始まる前の全員が集まってのミーティング点…その前に、監督から呼び出されある指示を出されていた。

『この試合、莉愛のサインに首を振るなよ』

初めてのキャッチャーということもあってかどんな配球をするのか見たいということなんだろうと思っていた。でも、この感じを見るともしかしたら違うかもしれない。

(まさか莉子と本気で正捕手を争わせるつもりなのかな?)

マウンドを慣らしながら相手のブルペンに目をやる。そこで既にキャッチャーを座らせて投げているエースと、それをこちらに負けじといい音を出して受けている正捕手。

(でもキャッチャーの仕事は受けるだけじゃないよ。リードにポジショニング……ランナーが出たらそのケアまでしなくちゃいけない)

初心者がこなすには過酷なポジション……それがキャッチャー。他のポジションよりもやらなければならない仕事が多いため、プロ野球などでは多少打てなくても仕方がないと判断される特殊なポジション。

(もしかしたら次のチームのことも考えてるのかもね。優愛たちじゃ打力はいいけど、守備が壊滅的になっちゃうだろうからね)

今のチームでも打撃の中心にいる優愛と葉月。そして総合力も高い明里の三人はキャッチャーの経験はない。というか、二年生にキャッチャー出身者はいないので、新チームになるとこのポジションが必然的に空いてしまう。

(この試合から少しでも経験を積ませようってことなら、言われた通りサイン通りに投げるよ。まぁ、あまりにも変な配球だったら、さすがに指導するけどね)

少しずつピッチを上げながら莉愛のミット目掛けてボールを投じる。そのボールもまたいい音を出してくれる彼女に、気持ち良さを感じていた。



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