第百十一話 怪物達、また騒動を起こすのことその十
[8]前話 [2]次話
そうしてだ。怪物達に言うのである。
「手前等、一体何者だ!」
「折角の舞台を最後の最後で台無しにしやがって!」
「ゆ、許せない」
「あら、何が許せないのかしら」
「意味がわからないわ」
貂蝉と卑弥呼だけがこう思っている。
「あたし達みたいな絶世の美女を捕まえて妖怪だなんて」
「失礼しちゃうわ」
「じゃあ聞くが御前等何者だよ」
そのいつものリーダー格が抗議する。
「いきなり出てきやがってよ」
「ぜ、絶対人間じゃない」
でかいのも言い切る。
「妖怪としか思えない」
「だから妖怪じゃないわよ」
「絶世の美少女よ」
彼女達は身体を不気味にくねらせて主張し。そうして。
名乗った。その名は。
「貂蝉よ」
「卑弥呼よ」
ウィンクして恥らいながら名乗った。すると。
それだけでだ。また大爆発が起こった。その爆発でだ。
三人組は吹き飛ばされた。まさに戦略兵器だ。
しかもだ。戦略兵器はまだあった。
怪物達は恐ろしいことを言い出した。
「じゃあ舞台のトリでね」
「歌わせてもらうわ」
「えっ、歌えたの」
曹操もそれを聞いて驚く。
「あの怪物達」
「そうみたいですね。どうやら」
「信じられませんが」
夏侯姉妹が曹操に応える。
「では一体どうされますか」
「ここは」
「どうすると言われても」
曹操もだ。彼女にしては珍しく釈然としない顔になる。
それでだ。こう言うのだった。
「あの二人はどうしようもないわ」
「はい、何しろ仙人ですから」
「おそらく前身は恐ろしい怪物だったのでしょうが」
つまりだ。妖怪仙人だというのだ。
「あの者達がすることはです」
「最早誰にも」
「ええ。見守るしかないわ」
こう言ってだ。曹操もだ。
見守るしかなかった。他の面々もだ。
袁紹もだ。憮然として言うのだった。自分の席で。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ