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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
剣交-しんけんしょうぶ-
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霊基を変え、新たな姿へと変貌しながら。

「楽しいわ…いや、じつに ゆかい」
「…。」

雰囲気が変わった。
おぞましい気配。
周囲にて野次馬をしていた一般人たちは次々に震え、頼光もまた無意識に己のマスターを自分の後ろに隠す。

「貴様がそこまでならば 余もそれ相応の返しをしなければ失礼か…。いいだろう。全力で貴様を屠るとしよう…。」

気に入っていると言っていたセーターを破り捨て、ただでさえ大きかったその身体はより大きくなる。
角もより禍々しく、髪も白銀のものへと染まる。

「武蔵のマスター。遅いかもしれないが言っておく。」
「なんだ。」

伊吹童子のマスターが恐る恐る口を開きながら、俺に警告してきた。

「伊吹がああなったのなら…もうどうしようもない。アンタの武蔵が無傷で帰って来れる保証はまずない。腕の二本くらいは持っていかれても文句は言うなよ…。」
「そうか…。」
「そ、そうかって…?」

何を言われると思っていたのだろうか。
俺の返答にやや驚く伊吹童子のマスター。

「それは、心配だな。」

傍に置かれていた玉露で喉を湿し、戦いの行方を見守る。

「さぁ、抗え。余はカミであり災いである。精々途中で倒れてくれるな、大剣豪。」
「それがあなたの本当の姿って訳ね!伊吹童子!!」


ついにカミとしての本気を出した伊吹童子。
彼女のプレッシャーに気圧されることなく、武蔵は不敵に笑う。
やっと面白くなってきたところだろう。
ここで危ないからもうやめてくれと言うのは野暮だ。
それこそ武蔵の機嫌を損ねてしまうからだ。

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