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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
剣交-しんけんしょうぶ-
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ントだったりがいるのだが、
そんなものを引き連れている伊吹童子の隣、そこにはあまりにも似つかわしくない者がいた。
まさかとは思うが…

「吉良。まさかあいつが…?」
「いいや分からない。何せ俺だって伊吹童子のマスターは見たことがないから。」

そもそも、鬼と関わることは母から固く禁じられているらしく、伊吹童子をまともに見るのも今日が初めてだったりする。

「こんにちは。」

やがて俺たちの前に来ると、伊吹童子はニッコリと笑みを浮かべ、お気楽そうに手を振ってみせる。
隣にいた男もまた、俺達に礼をして挨拶した。

「どうも…。」
「紹介するわね。この子が私のマスター。」

そういって伊吹童子は彼に寄り添うやいなや腕を組み胸を押し付けこれでもかといわんばかりに仲良しですよとアピールをする。
対するマスターはとても不満そうではあるが。

「あのさ、こういう場所なんだから少しはか畏まらないと…。」
「かしこまるって何?気楽に行きましょうよマスター。それにお姉さん"カミ"なんだし畏まられる側じゃなーい?」
「…。」

と、そうして話している間にもやたらとボディタッチはするわ頭は撫で回すわとスキンシップをこれでもかと見せつける伊吹童子。

「…ふ。」
「旅人さん?」
「いや失礼。鬼も人も変わらないと思ったらつい可笑しくなってな…。」

過剰なまでに吉良に害が及ばぬよう最前の注意を払い、やりすぎでは無いかと思うほどに甘やかしている頼光。
そして今こうしてマスターにベッタリな伊吹童子。
そこになんの違いがあろうか?

ただひたすらにマスターを思うことを第一に考えることに関しては、鬼や人も関係ない。
もしかしたらこの境界線が無くなる日もそう遠くは無いのではと考えてしまった。

「ところであなたが、今回決闘を代行することになった武蔵のマスターか?」
「ああすまない、自己紹介が遅れた。俺が武蔵のマスターの竜胆だ。」

手を差し出されたのでこちらも握手をして返す。
なんというかこう…思ったよりもずっと普通の人だった。

こんなとんでもないサーヴァントのマスターなのだから、おそらく筋骨隆々とした、身の丈2メートル超えの素手でモンスターを殺せそうな鬼のような男だろうと思っていたが目の前にいるのは何の変哲もない一般人。
特徴がないのが特徴のような男だ。

「じゃあ、今日はよろしく頼む。うちの伊吹も早く戦いたくて落ち着きがないんだ。」

そう、短めの挨拶を交わすと俺と伊吹童子のマスターは吉良に案内され、特等席へと招かれた。


?


「…。」

人と鬼。
決して相容れない者同士の真剣勝負が始まる。
そんな噂を聞き付け京都中から面白いもの見たさにどんどん人が集まってきた。

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