第三百四十一話 八条荘に帰ってその九
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「凄くいいんだよ」
「日本にとって」
「ああ、だから今年もな」
「巨人は最下位であるべきだね」
「今年も勝率一割台でな」
それでだ。
「負けまくってくれることがな」
「いいことだね」
「他の五チームが強くなってな」
そしてだ。
「そうなったらいいんだよ」
「というか巨人ってね」
僕は最下位を独占する様になってからのこのチームを思った。
「若手の育成もね」
「下手だな」
「投手陣も野手陣もね」
もう全部だ。
「補強もお金がなくなって」
「出来なくなったな」
「助っ人も」
こちらもだ。
「もうね」
「毎年変なのばかりだな」
「打つって言われて」
それでもだ。
「もう全然打たないね」
「そんな助っ人ばかりだな」
「打たないだけじゃなくて」
それだけでもかなりのことだが。
「守備も酷いのばかりだしね」
「それでピッチャーは炎上系だな」
「そんな助っ人ばかりだからね」
スカウトの目がおかしいと言われている。
「だから戦力がね」
「ないな」
「あそこまで育成も駄目で」
「トレードも失敗ばかりでな」
「助っ人もスカしかなくて」
「もうな」
それこそだ。
「最下位を独占するのもな」
「当然になってるね」
「あれじゃあずっとな」
親父は笑って話した。
「巨人は最下位だ」
「そうだね」
「だからな」
それでというのだ。
「今年もだ」
「巨人の最下位は安泰だね」
「そして日本もな」
「いいね」
「ああ、そして阪神は」
このチームの話に戻った。
「その巨人に毎年二十勝以上してるだろ」
「それが大きいよね」
「巨人はどのチームにもそうだけれどな」
毎年二十は勝ち星をくれている、もう何年連続で百敗以上しているかわからない程であるのが嬉しい。
「阪神にとってもな」
「お得意様だから」
「だからな」
「巨人は今年もだね」
「弱くあって欲しい」
「親父もそう思うんだね」
「巨人が人気があってプロ野球の人気がある」
俗にそう言われていたらしい。
「それはな」
「間違いだよね」
「むしろだろ」
「巨人が人気がなくてね」
「弱い方がな」
「野球にとってもいいね」
「ああ、日本にとってもな」
あそこのオーナーがあれこれ言っていたけれどだ、巨人が弱いと銀行が幾つも潰れるだのいうことをだ。
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