第三百四十一話 八条荘に帰ってその六
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「穴二つなんだよ」
「悪いことが起こるね」
「かえってな」
自分自身にだ。
「そうなるからな」
「願うべきじゃないね」
「それ位なら自分の幸せを願え」
人の不幸を願うよりもというのだ。
「いいな、だから巨人にそう思ってもな」
「神仏には願わない」
「それなら他の五球団に頑張れと願え」
巨人以外のセリーグの五球団にというのだ。
「そうしたら結局はな」
「巨人以外が強いとね」
「必然的に巨人が落ちるからな」
自分以外の相手が強いとそうなる、もうこれは必然的なものだ。
「それはいいんだ」
「だから阪神の優勝も」
「願っていいんだ」
「そういうことだね」
「それで俺も願って来たからな」
「今年も優勝するといいね」
「阪神が優勝したら悪いことないだろ」
巨人が優勝してもいいことがないことと正反対にだ。
「ファンの人達が元気が出て頑張ってな」
「日本も明るくなるしね」
「それに消費もよくなるだろ」
「皆気持ちよくお金使うから」
「気分がよくなってな」
言うまでもなくファンの人達がだ。
「だからな」
「いいんだね」
「ああ、それで実際日本もな」
「最近景気がいいね」
「阪神が優勝する様になってな」
まさにそれからだ。
「よくなったな、だからな」
「阪神は優勝すべきだね」
「毎年でもな」
「そうだね」
「そうならないと駄目だ、ただな」
「ただ?」
「今みたいな状況でもな」
強くなってもというのだ。
「どうしてもここぞって時でな」
「負けるチームだよね」
「そんな危うさあるだろ」
「毎年優勝していても」
僕が見てもだ。
「阪神ってそうだね」
「信じられない負け方もするな」
「祟られてるみたいにね」
「実際に祟られてるしな」
「ああ、マモノとケンタッキーのね」
「そう言われてるんだよ」
これも阪神だ、シカゴカブズがずっと優勝出来ないことは山羊の呪いだというが阪神の場合はそうなのだ。
「甲子園にはマモノがいてな」
「ケンタッキーのおじさんの呪いだね」
「その二つがあってな」
あと高校野球の怨念もあるという。
「だからな」
「阪神は何かあるんだね」
「いつもな」
「そういうことだね」
「それが気になるな」
どうしてもというのだ。
「俺としては」
「大丈夫って言えないんだ」
「何事も絶対はないけれどな」
それでもというのだ。
「阪神は安心出来ないんだよ」
「どうしても」
「そうしたチームなんだよ」
「そこが困るね」
「さっき話した頃の西武とは違うな」
「完全にね」
「あの頃の西武なんてな」
その黄金時代だ。
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