第百十一話 怪物達、また騒動を起こすのことその六
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「草薙君はそうした素振りは見せませんが」
「表にはね」
「そうですね。出しません」
「草薙はあれで結構繊細なのよ」
曹操は微笑んでその草薙のことを話す。
「八神もね」
「八神もですか」
「繊細ですか」
「そう。そして素直じゃないのよ」
曹操の指摘が続く。
「二人共ね」
「そうですか。そう言われると」
「あの二人は似ているのですか」
「全くの正反対に思えて」
「そうなのですか」
「そうよ。日と月は一対よ」
正反対の存在ではないというのだ。
「一対のものだから」
「だからこそですか」
「草薙君と八神は」
「そういうことよ。それにしても」
ここでだ。曹操は姉妹に対して言った。
「貴女達草薙を君付けで呼んでるわね」
「あっ、そうですね」
「そういえば」
言われてだ。そのことに気付く二人だった。
「どうも。彼には見るべきものを感じますし」
「それに親しみも」
「さて、その彼ならね」
草薙ならだ。どうかともいうのだ。
「オロチも封じられるわ」
「八神と神楽も入れてですね」
「三人で」
「確かに殺し合う間柄だけれど」
だがそれでもだというのだ。
「あの三人はいざとなれば一つになるわ」
「そうして共に戦う」
「それが彼等ですね」
「そういうことよ。それじゃあ」
あらためて微笑んでだ。曹操は二人に言った。
「私達の出番よ」
「はい、それでは」
「今から」
二人は瞬時にだ。衣装に着替えた。その衣装は。
夏侯惇は赤、夏侯淵は青のだ。脚がはっきり出ているフリルの衣装だった。その衣装を見てだ。
曹操は一瞬目が点になった。それから言うのだった。
「何、その衣装は」
「はい、アテナを基にしたのですが」
「いけませんか」
「アテナは十代だからできるけれど」
しかしだ。二人はというのだ。
「貴女達が着ると」
「似合わないでしょうか」
「駄目でしょうか」
「駄目ではないわ」
そうではないというのだ。見ればその露出の多い、肩も胸も結構出ている衣装は二人に似合っている。だがそれでもだとだ。曹操は言うのだ。
「それでも」
「それでも?」
「では」
「かえっていやらしいのよ」
そうだというのだ。アテナの様な服を二人が着ると。
「それで舞台に出たら皆もう大変よ」
「兵達が騒ぎますか」
「そうなると」
「なるわ。けれどそれも一興ね」
曹操は笑顔になって述べた。
「じゃあその服で出なさい」
「はい、では華琳様も」
「御着替え下さい」
「わかったわ。じゃあ」
いつもの服の右肩を取って一気に脱ぐと。そこには。
黒いやはり派手なドレスだった。彼女はそれだった。
曹操達が歌い董卓達、孫権達も歌う。孫権はとりわけ。
ピンクの衣装でだ。こ
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